玉突き事故の責任は誰に生じるの?具体例を見ながら過失割合の確認をしよう
玉突き事故を起こしてしまったり、起こされてしまった場合、誰がどの程度の過失割合になるのでしょうか。 玉突き事故は、複数の車両を巻き込むため大きな事故になりますが、その後の責任が誰にあるのかが一番分かりにくい事故でもあります。 そこで今回は、一般的に玉突き事故が起こる状況を想定して、過失割合について詳しく見ていきましょう。 万が一の時のために、知っておくと役立ちます。
免許取得歴:6年 今乗っている車種:MINI クロスオーバー クーパーS(新車で購入…
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- 投稿日:2017-11-16
目次
玉突き事故とは?
玉突き事故とは、後続車に追突された際に勢いで前方の車にも追突してしまう事故をいいます。
被害者と加害者の2つの車両が起こす追突事故ではなく、3台もしくはそれ以上の車両が絡む大きな事故です。
複数の自動車が絡むことで、非常に重大な事故になることがほとんどです。
たくさんの人が巻き込まれる場合が多いため、誰がどの程度悪いかの過失割合の考え方が難しく、責任の所在がわかりにくい事故であるともいえます。
【具体例付き】玉突き事故の過失割合はどうなる?
事故の連鎖で、誰がどの程度悪いのか非常に難しい玉突き事故。
そこで、今回は分かりやすく3つの車両を巻き込む玉突き事故の過失割合について見ていきましょう。
□ 3台の玉突き事故での過失割合
前から順番に、
- A車
- B車
- C車
となっている状態とします。
A車・B車の2台が止まっている状態でC車が追突してしまい、玉突き事故を起こしたら、過失割合はC車が100%となります。
基本的に最初に追突した車が責任を取ることとなり、過失割合も100%です。
ですが、これは一般的な考え方ですので、いろいろな走行条件によって過失割合が変わってきます。
代表的な玉突き事故の状況をそれぞれ見ていきましょう。
□ 前車の急ブレーキが原因で追突された場合
前から、
- A車
- B車
- C車
となっている状態です。
A車が急ブレーキをかけた場合、B車は車間距離を取っていたので、ギリギリ止まることができました。
しかし、C車は間に合わずB車に追突し、その反動でA車にも追突したとしましょう。
この場合の過失の比重はC>B>Aの順になります。
詳しい過失割合については、事故の状況によって少し変動します。
どの程度の急ブレーキだったのか、信号の状態、危険を伴う運転をしていないかによって過失割合が異なってきます。
□ B車が急ブレーキをかけた場合
信号で止まっているA車がいます。
そこへB車が急ブレーキをかけ停車しましたが、その後ろを走行していたC車のブレーキが間に合わず、B車にぶつかり、その勢いでA車にも追突したとします。
この場合の過失割合は、A車0%・B車30%・C車70%となります。
当然止まっているA車に過失はありませんから0%ですね。
後続のB車とC車には3:7の割合で過失があります。
C車から見れば、B車が「急ブレーキをした」という言い分がありますから、70%ともの過失があるのは納得いかないとなりそうですね。
ですが、C車が十分な車間距離を取っていれば、このような玉突き事故は起こらなかったと言えるため、7:3の過失割合となってしまうのです。
被害者にも責任が生じるのはどんな時?
□ 高速道路での駐停車
高速道路上での駐停車や極端な減速は、法律で禁止されています。
ですから、高速道路上で停車している車に追突してしまい、玉突き事故を起こしてしまった場合は、停車していた被害者にも過失が認められます。
もし、車両のトラブルなどで車を停車せざるをえない状況になってしまったら、路肩やサービスエリアなどの安全な場所に停車させましょう。
□ 渋滞の最後尾への追突
玉突き事故の中で最も多い状況であるのが、渋滞の最後尾への追突です。
カーブの途中や坂の頂上付近などの見通しの悪い場所が渋滞の最後尾だった時に、事故が起こりやすいです。
止まっている車に追突すれば、過失割合は追突車両が100%です。
しかし、渋滞の最後尾の車が無灯火であったり、ハザードランプの点灯をしなかった場合は、追突された被害者にも一定の過失が認められることがあります。
追突されないように、また追突しないように、ライトの日常点検を行ったりつけ忘れを注意したり、そしてなるべくスピードを出しすぎず車間距離を保つように心がけましょう。
玉突き事故の過失割合は誰が決めるの?
過失割合が100%の場合を除き、それぞれの過失割合は保険会社が決めてしまいます。
もちろん事故当時の状況をしっかりと確認した上で行いますが、それぞれの状況説明が曖昧なことから、納得のいく過失割合にならないこともあります。
事故状況は、過失割合を決める重要な判断材料となるので、確実に覚えておく必要があります。
目撃者がいれば連絡先をメモしておいたり、ドライブレコーダーの記録を提出したりと、事故当時の状況を記録しておきましょう。
警察への届け出も忘れずに行ってくださいね。
玉突き事故を防ぐにはどうすればいい?
必ず、十分な車間距離を取って走行することです。
また、停車する際はしっかりとブレーキを踏み、前車との距離も十分に取ることも重要です。
万が一、追突されてしまっても多くの車両を巻き込む玉突き事故を防ぐことができます。
ブレーキランプを点灯させることも、車を運転するドライバーの責任です。
日頃からランプ類の点検も行っておきましょう。
車間距離を取り、玉突き事故の防止に心がけよう
玉突き事故の過失割合は、事故の状況によって様々です。
一概に誰がどの程度の過失なのか判断することが難しいですから、事故当時の状況を正確に記録し、しっかりと記憶しておく必要があります。
曖昧なものだと、納得のいく過失割合になりませんから、十分に注意してください。
玉突き事故という大きな事故にならないためにも、車間距離をしっかりと取り、安全運転を心がけましょう。
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