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バッテリーに負担をかけるNG行為5選~突然のバッテリー上がりを予防しよう!~

バッテリーに負担をかけるNG行為5選~突然のバッテリー上がりを予防しよう!~

車のバッテリーは急にダメになってしまうので、普段から負担をかけないように使いたいですね。しかし、アイドリングストップ車や回生ブレーキのような新しい機能の付いた車が出て来ているので、どのような行為がNGなのか、教習所で習った程度の知識で考えると、判断が難しいところでもあります。 そこで、車のバッテリーの原理を知って、対応方法を考えて行きましょう。

今乗っている車種:MINI…

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  • 最終更新日:2019-3-26 / 投稿日:2016-11-22

 

あいもらいと

記事監修:整備歴11年 現役整備士 あいもらいと さん

(国家資格 2級ガソリン、ディーゼル整備資格、自動車検査員講習修了者)

近年は充電制御やISSといった制御をおこなっている自動車が多く、そういった車はバッテリー上がりの予兆を見せないで突然バッテリー上がりを起こす事がしばしばあります。

バッテリーはあくまで定期交換部品です。

不意なトラブルを防止し、寿命を全うさせる、という意識でバッテリーをつかいましょう!

※自動車の技術は日々進化しており、こちらの情報が適用しない車種もありますので、正確な情報はお近くの整備士・ディーラー・メーカーにご確認下さい。

先ずは車のバッテリーを充電する原理を知っておこう

車に詳しくない方には少々難しく感じるかもしれませんが、まずはバッテリーの原理から理解してみましょう。

■バッテリーの原理

車のバッテリーは、スマホや家電のバッテリーと充電方法が違い、エンジンの回転する力をベルトを通してオルタネーター(発電機)に伝え、オルタネーターを回して発電させて充電します。

これは、自転車のライトがペダルを回して走ると点灯するのと似た原理になります。

■バッテリーの充電について

最新のアイドリングストップ機能などで、エンジンが停止している最中は、いくら運転中であっても充電はしていません。

スムーズに充電が出来る条件としては、エンジンが動いていて、なおかつ他の電装品が電気を使っていない状況になります。

他の電装品とは、

  • エアコン
  • ヘッドライト
  • ストップランプ
  • シートヒーター
  • デフォッガー(ガラスの曇り止め用電熱線)
  • カーオーディオ
  • カーナビ

などになります。

 

エンジン始動時に一番多くの電力を使います!

最も電力消費の大きいものは、エンジンをかける時に動くセルモーターになります。

セルモーターは常に動いているわけではないので、一度エンジンがかかってしまえば、走っている間は電力消費はありません。

しかし、アイドリングストップ機能がある場合は、停止後の再発進でセルモーターを動かすので、何度も大きな電力消費が起きます。

このため、この機能がついている車は、通常より高効率のバッテリーが使用されており、バッテリー自体の価格も通常より高価です。

そして、どのバッテリーも100%充電時が、バッテリーが安定して性能を発揮できる状態になっています。

バッテリーは年数の経過とともに劣化する

しかし、バッテリーは年数が経過するとともに、少しずつ劣化していきます。

劣化により、バッテリー自体の充電容量の低下が発生している場合は、100%充電でもバッテリー上がりが起きる可能性はあります。

できるだけ効率的にバッテリーを充電し、100%充電に近い状態で稼働させて、バッテリー上がりを予防していきましょう。

放電>充電(充電よりも放電が多い状態)でバッテリーは劣化する

車のバッテリー内では、バッテリー液である希硫酸が科学反応を起こして、放電と充電を繰り返しています。

そして、バッテリーに電気が送られてくる充電分の電圧が少ないと、放電だけしている状態になります。

なので、「電力を使用する機器が少ない中で、走行状態が続く事」でバッテリーを効率よく充電することで、劣化の進むスピードを少しでも遅らせることが大切です。

このポイントを抑えて、次に揚げるNG行為をしていないかを確認し、各電力消費を見直してみましょう。

NG行為1:エアコンの使いすぎ

家でも車でもエアコンは電力消費No.1です!

節電したいところですが、実は家庭用エアコンと車用エアコンでは節電の方法が異なりますので気をつけましょう。

■家庭のエアコンの節電方法は、設定温度を控えめ(冷房は高め、暖房は低め)

家の中では、実は電気ストーブが最も消費電力が大きいのですが、普及率ではエアコンが多いため、一般的にはエアコンの消費電力が最も高い家庭が多い状態です。

そのため、エアコンの使用方法に対して、国を挙げて省エネ方法が推進されています。

その方法は設定温度を控えめ(冷房は高め、暖房は低め)にするというものです。

■【注意】自動車のエアコンの節電方法は家庭用エアコンとは逆!

しかし、車のエアコンでは電力を消費している仕組みが違います。

車のエアコンは、エンジンルーム内の室外機(コンデンサー)と室内機(エバポレーター)の2つの機械で空気を冷やす仕組みですが、ここまでは家庭用エアコンとほとんど同じです。

しかし、家庭用エアコンでは内蔵されているファンが、車では別体なのです。

そして車の場合、室外機と室内機は直接エンジンの動力で動かしますが、ファンだけはバッテリーからの電力で動いているのです。

このため家庭用エアコンとは逆に、設定温度を下げてファンを弱める事がバッテリーの電力消費を抑える方法になります。

※整備士注:最近の車は以前よりも発電機の性能がかなり改善されているので、1990年代頃の車と比較するとだいぶエアコン使用によるバッテリーへの負荷は減ってきています。

NG行為2:照明類のつけっぱなし→こまめな照明のスイッチOFFが節電のカギ

家の中でも、照明のスイッチをこまめに切る事が、小さな積み重ねの省エネ方法として紹介されています。

これは車も同じで、ヘッドライトやブレーキランプなどの照明類は、やはり電力消費に占める割合が高いです。

信号待ちなどでは、ブレーキランプは後続車への停止サインなので、安易にギアをパーキング(P)や、ニュートラル(N)にしてサイドブレーキを引いて、ブレーキペダルから足を放す事はお勧めできません。

しかし、停車時にヘッドライトを消してスモールランプにするのは、多少の効果はあります。その際、再発進の時にヘッドライトを点け忘れないように気を付けましょう。

この他にも、不要な時にはエアコンやガラスのデフォッガー、シートヒーター、カーオーディオなど、電源スイッチがあるものは、スイッチを切る習慣をつけると、小さな積み重ねになりますが、走りながらの電力消費を防ぐことが出来、十分な充電が出来るようになります。

NG行為3:チョイ乗りが多かったり、乗る機会が少ない

近所の買い物にいくために、ちょっとしか乗らないちょい乗りや、年に数回しか乗らないというのも、逆にバッテリーが放電し、劣化してしまいます。

バッテリーは、新品の状態では充電満タンです。

これを家計に例えると、十分な貯蓄のある状態になります。しかし家計は、ちゃんとした収入がなければ、貯金を取り崩して生活しなければなりません。毎日買い物をしなくても、電気や水道、家賃や住宅ローンは計上され続けるので、月単位で支払っているものの、結局は毎日支出しています。

バッテリーも充電という「収入」がないと、日々微弱な放電があるので、いざエンジンをかけるという大きな支払い(電力消費)時に蓄えがなくなり、エンジンがかからない状態になるのです。

こうならないためにも、日々の買い物であっても、車で出かける際は一度に何か所も用事を済ませるなど、車が走っている状態を維持する使い方を心がけましょう。

また、年に数回しか乗らないなら、放電を防ぐためにバッテリーの端子を外しておくのも一つの方法です。それ以外にも、家庭用コンセントから接続出来る常時充電器もあるので、検討してみるのも良いでしょう。

 

NG行為4:スピーカーなどの機器をたくさん使用している

昔の車は、カーラジオ程度の電子機器しかありませんでしたが、今やカーナビやETCは当たり前に装備され、その他にも、ドライブレコーダーや、スマホをつないで連動させられる車、カーナビからWEB検索やメール送信機能まで備えたものも出て来ている時代です。

機能が増えれば、もちろん使用電力も増えます。ただ、オーディオ機器そのものでは、それほど大きな電力は使っていません。

問題なのがスピーカーです。

後ろまで音が聞こえるようにと、後部座席にまで大きなスピーカーをつなぐと使用電力が激増します。

この点が意外と盲点になっているので、ワンボックスやミニバン、SUVなどの大きな車を乗っている人は、安易にスピーカーを増やすと予想以上に電力を消費して、突然バッテリーが上がる可能性があります。

また、音声出力のあるDVD機器なども、内蔵スピーカーなので、それなりに高めの電力消費になります。

音楽に拘りたい人は、スピーカーの出力から消費電力を計算して、別バッテリーを付けるなどの対策が必要です。

カー用品店などで相談してみましょう。

NG行為5:良くありがちな「消し忘れ」ミス→降車時の再確認で防ごう

バッテリーの最大の負担は、やはりバッテリー上がりです。

ライトやランプの消し忘れでバッテリーがあがってしまうことは絶対に防ぎましょう。

最近の車では、キーを抜いた時にヘッドライトが付いているとアラームで知らせてくれるものもありますが、バッテリー上がりで最も多い原因は、ヘッドライトやルームランプの消し忘れなので、これらを防止出来れば、バッテリーの寿命を縮める危険は減ります。

でも、これらのうっかりミスを防ぐ方法は、「うっかり」だけに難しいところです。こういう事は、習慣づけが大切になります。

とりあえず、いくら急いでいても、降りる時に「ライト良し!ランプ良し!」の様に声に出して確認したり、指さし確認したりする事で、意識的にスイッチを切れますので、うっかりミスが防げる様になります。

ちょっと車掌さんの様ですが、駅の安全を守る彼らの行動は理に適っているので、応用してみるのもお勧めです。

他にも、悪路走行もバッテリー負担大!

あいもらいと

上記以外にも、「悪路走行をする」こともバッテリーに負担がかかります。

バッテリー内部の極板は網目状の金属格子にペースト状の活物質を塗りつけた物を使用しています。

塗りつけてあるだけなので、振動にさらされつづけると、段々と格子から落ち、バッテリーの底にたまります。こうなった活物質は役目を果たしませんので極板の劣化→バッテリーの劣化を招きます。

通常走行による振動でも徐々に劣化していきますが、砂利道など振動の多い環境ではさらに過酷です。

充電制御についてより詳しく知りたい方にはこちらのパナソニックさんの充電制御車の説明が図解もついておりわかりやすく、おすすめです。

 

日々のNG行為の積み重ねがバッテリーの劣化を促進します!

目に見えない電気の管理が難しいのは、家も車も一緒です。

それでも、車を動かすのには欠かせない物ですし、決して安くない部品です。

バッテリーの寿命を全うさせるためにも、日々の負担を軽減させられるように、例示したNG行為に注意しながら車を使って行きましょう。

 

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