融雪剤を放置すると車が錆びて大ダメージ!下回りの洗浄・洗車の方法も紹介
冬場に多くの雪が降り積もる雪国以外の方には融雪剤という言葉はなじみが少ないのではないでしょうか。 私の住んでいる地域でもそうですが、雪が積もると多くの融雪剤が道路に撒かれます。 当然その道を車で走りますので、多くの融雪剤が車につきますよね?そのままにしておくと、車に大ダメージを与える事になるのです。 今回は融雪剤とはどのようなものなのか、融雪剤のダメージについてまとめてみました。
免許取得歴:10年 今乗っている車種:ダイハツタント(新車で購入) 車に対する思い:色…
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- 最終更新日:2018-10-29 / 投稿日:2017-4-5
目次
融雪剤ってどういうもの?
融雪剤とは、道路などの雪や氷を融かし、凍結などを防止するものです。
「凍結防止剤」や「凍結抑制剤」、成分を取って「塩化カルシウム」と呼ぶこともありますね。
融雪剤の散布によって、塩化カルシウムなどの成分が水に溶けて凝固点降下が起こり、融点が低下する。これによって、融点が気温を下回れば雪は水へと変化する。加えて塩化カルシウムが水に溶けるときに発生する溶解熱も、融雪に寄与する。なおこれらによって低下する融点は数度から十数度程度であるため、極端に低い温度の中では効果が得られない。
融雪剤は塩化カルシウムが主な成分で、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムなどの成分も入っています。
塩化カルシウム等が水へ溶けると、「凝固点降下」が起こります。
水は通常0℃で凍りますが、不純物が入ると0℃になっても凍りにくくなります。不純物が、水の分子がくっつくのを邪魔するからなんですね。
なので0℃以下にならないと凍りにくくなるのですが、それを凝固点降下といいます。
そうやって凍る温度を下げることで、低い気温でも雪や氷を融かしていってくれるのです。
また溶解熱とは、物質が液体に溶ける際に起きる熱のことを言います。
雪の降る地域に住む人達はお馴染みで且つ助けになる存在の融雪剤ですが、この成分が車に悪影響を与える元になってしまっているのです。
融雪剤をそのままにしておくのは危険!故障や高額な修理費がかかるかも!
では、融雪剤をつけたままにしておくとどうなるのでしょうか?
運転に大きな影響も出かねませんので、知っておく必要がありますよ。
融雪剤で部品が錆び、故障する
塩化カルシウムなどの影響で、車に使われている金属部分が錆びてきてしまいます。
サビは外側だけではなく、内側まで入り込み、そうなるとかなり厄介です。
特に足回りや車の下回りなどの道路に近い部分ほど融雪剤が残りやすく、錆びやすくなるのです。
タイヤが融雪剤を巻き上げてしまい、エンジンル―ム内に融雪剤が入り込むこともあり、エンジンの周辺装置にも融雪剤が堆積し故障する事も…。
エンジン周辺部・プロペラシャフト周辺部・サスペンション・ブレーキ配管・ブレーキ周り・マフラー・タイヤやホイールなど、足回り部品を錆びさせ、故障の原因になってしまいがちです。
錆びが進行した際の走行への影響は?
ブレーキが利きにくくなったり、マフラーの故障により排気音が大きくなってしまう事があります。
サビが進行して、修理や交換になった場合の料金は?
ブレーキ周りの修理費用は、かなり高額なので注意が必要です。
例えば、融雪剤の影響を受けやすいブレーキ周りが錆びてしまったとします。
・ディスクブレーキキャリパー:交換すると、片側4万円前後
※円盤型のブレーキについているもの。ブレーキパッドをブレーキローターに押さえつけ、摩擦を起こして車を停めます
・ブレーキパッド:交換すると、一箇所7,000~10,000円前後
※ブレーキをかけたとき、直接制動を行う部品。
※エンジンを動かすためのエネルギーを伝える部品。走行中は常に回転しています。
交換個数によって増え、さらに時間工賃もかかります。
やはり高価なパーツになりますので、余計なお金をかけないためにも、内部までサビが発生しないように、気をつけたほうがいいですね。
【実話】融雪剤による錆びを放置して、車が廃車になりました
先にも書きましたが、錆びたままにしておけば部品にかなりの悪影響がでて故障の原因になります。
それ以外にも、部品などを固定している足回り等にも穴があいてしまったりするのです。
私の以前の車は、スタビライザーを固定している部分のすぐ側に錆びによる穴が2箇所できてしまいました。
修理が出来ない場所だと言われそのまま使っていましたが、ある時スタビライザーが落ちました。
クスコ ( CUSCO )【 スタビライザー 】トヨタ 86 (リヤ用) 16φ 965 311 B16
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※スタビライザーとは、車の回転運動を防ぐためにサスペンションにつけられているもの。ついていると、急カーブでも車体を安定させてくれます。
幸い運転中ではなかったので、事なきを得ましたが運転中だったら大変な事になっていたと思います。
大きな部品が道路に落ちて、自分だけでなく周りも危険にしてしまうところでした。
その時はディーラーの方を呼び、車は工場へ。
以前にも修理の出来ない箇所だと伝えられていましたが、やはり修理も交換も不可能との事で廃車にして買い替えになってしましました…。
そうならないためにも、サビが発生しないようにすることは大切です。
そして、錆びてしまったのであれば早めに錆び落としなどの処理をすべきです!
融雪剤がついた時の洗車方法って?ポイントは下回りの洗浄!
大事な車が錆びないようにするために、融雪剤が撒かれた道路を走った後にどのように洗えばいいのかを説明していきます。
自分で洗う場合
とにかく、車体に残った融雪剤を取り除く事が大切になります。
普通の洗車の場合と違い、足回りや下回りまで念入りに洗いましょう。
- まず、水圧を高くして、全体を水で洗い流します。
- ガソリンスタンドやコイン洗車場などにおいてある、高圧洗浄機を使うと効果的です。隅々まで水をかけ綺麗に洗い流してください。
- その後は多目のシャンプーを使用して洗いましょう。
洗車機を使う場合
洗車機を使う場合は、洗車機の設定で下部洗浄をオプションとして使うようにしましょう。
有料オプションになりますので、通常の洗車にプラスアルファかかってしまいますが、下部に一番融雪剤は付いています。
融雪剤が撒かれている道を走った後は下部洗浄を必ずすることをおすすめします!
自分でやると大変ですが、自動でやってくれるので楽ですよ。
家庭用高圧洗浄機をお持ちの方へ、便利なアイテム!
もし家庭用の高圧洗浄機を持っているのであれば、噴射しにくい下部にも対応したアクセサリーがあります。
ケルヒャーやリョービのアンダーボディースプレーランスというものです。
ケルヒャー 高圧洗浄機用アンダーボディスプレーランス 2.638‐817.0
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こういったものを使えば、下部の洗い流しも楽になりますよ!
各社に多様な商品はありますので、お持ちの洗浄機に合わせて選びましょう。
また高圧洗浄機をお持ちでなくても、通常のホースに接続する事で下部に放水しやすくする下回り洗浄君というアイテムもあります。
便利アイテムを使えば下部の洗浄も大分楽になりますので、試してみてはいかがでしょうか?
雪の降る地域以外の人も注意!スキーやスノボのために雪道走りませんでしたか?
スキーやスノボをするために雪の多い地方に行く方や、旅行で北海道などの雪国に行く方も注意が必要です。
「雪の多い地方を車で走るのなんて1~2回だし大丈夫でしょ。」なんて思っていませんか?
それはとんでもない間違いです。
たとえ数日間・少ない回数とはいえ融雪剤が撒かれている道路を走ったのであれば、戻ったら必ず洗車しましょう。
普段その道を走っている車に比べれば少量かもしれませんが、融雪剤は付着します。
付着してしまえば、それが錆を起こす原因となります。
少ない回数だからといって安心しないで愛車の為にも、そういう場所を走ったら必ず洗車をして下さい。
中古車を買う時、雪国を走っていたものには気をつけよう!
中古車を買う際、雪国を走っていたものに関しては注意して確認をするようにしましょう。
雪国を走っていても、前のオーナーがきちんと手入れをしていたものであれば問題の無い事が多いですが、手入れがされていないものだと下回りは錆びだらけということもありえます。
買うときに下回りを確認する人などほとんどいないため、気づかず購入してしまう事も…。
また、雪だけでなく海辺を走っていた車、海辺に駐車していた車も同様です。
海辺の場合は、潮風や潮を含んだ砂などの影響で錆びやすいです。
そのような環境を走っていたからといってすべての車にダメージがあるとは限りませんが、購入した後に発覚すると場合によっては修理代が多くかかってしまう事もありえます。
そういうことを避けるためにも、きちんと確認を行うか、そういう場所を走っていたものは購入しないぐらいの気持ちも大事です。
ちなみに随分前の話にはなりますが、私の父親が買ってきた中古車が買った直後に錆で故障し、販売店ともめた経験があります…。
皆さんご注意くださいね。
融雪剤のサビをそのままにしておくと車を売る時困る?
車を売却する際、錆びていると安くなってしまうのでは?とか、売れないのでは?など思われる方も多いのではないでしょうか。
実際、業者の営業の方に安く見積もられる事もあるでしょう。
それを避けるためには、一括査定サイトを使うなどして複数の買取業者から見積りをあげてみてください!
そうする事で、買取業者の限界金額を引き出すことが出来ます。
錆びているからといって安くても仕方ない…と諦めず、しっかり査定してもらい比較をすることで思わぬ高値を引き出すことも可能ですよ。
一括査定サイトもたくさんあるので、希望にあった利用ができるサイトを選ぶのもオススメです。
【番外編】小さな傷から入り込んだ融雪剤が塗装にも影響を及ぼす!
融雪剤の影響は、車の下回りや部品だけにはとどまりません。車のボディにも当然影響があります。
融雪剤がボディの塗装面にただ付着しただけであれば、洗車をして洗い流すことができます。
しかし、走行している時の飛び石やタイヤで巻き上げた石、枝などにこするなど気づかぬうちに塗装がはがれてしまっている部分に、融雪剤が入り込む事と錆びの原因になってしまいます!
また、製造段階で塗料が入りきらなかった隙間などもあるかもしれません。
そういう場所へ融雪剤の侵入を防ぐためにも、融雪剤の撒かれている道路を走行した後は、必ず洗車をするようにしましょう。
定期的なメンテナンスは、大切な愛車を守るためには大事ですね。
雪道を走ったら必ず洗車をしよう!
降雪の多い地域だけでなく、ウィンタースポーツや旅行などで雪道を走る車にも影響が出やすい融雪剤。
放っておくと、車への被害は大きなものになってしまいます。
少しぐらいなら…と放っておくと取り返しのつかない事にもなりかねません。
大切な愛車を守るために、融雪剤が使用されている地域に行った際はきちんと洗車やメンテナンスを行ってくださいね。
今回の記事が少しでも皆様のカーライフのお役に立てれば幸いです。
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