意外と強い、窓の力!パワーウィンドウの挟み込みの危険性とは
子供にも簡単に窓を開閉ができるようになった事により、パワーウィンドウに指などを挟んだりする事故が増えています。自動で開け閉め出来るパワーウィンドウは、固い大根も切断できるほどの力を持っています。 以前は車の窓を開閉するにはレバーを手動で回して行う必要がありましたが、パワーウィンドウが標準になった今はボタン一つで窓の開閉ができるようになりました。とても便利ですがそれと同時に危険も隣り合わせになってしまっているんです。今回はそんなパワーウィンドウの危険性をまとめていきます。
免許取得歴:10年 今乗っている車種:ダイハツタント(新車で購入) 車に対する思い:色…
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- 最終更新日:2018-5-8 / 投稿日:2017-4-17
目次
大根も切れちゃう…パワーウィンドウの力の強さ
ほとんどの車が、ボタン一つで自動的に窓が開けられるパワーウィンドウになっていますよね。
あの窓、子どもでも簡単にあけられることができますが、どれくらいの強さを持っているかごご存知ですか?
実は、大根が切れるほどの威力を持っているんですよ。
パワーウィンドウの挟み込む力はどれぐらいなのか?
窓が閉まる力は車種によって異なりますが、挟み込み防止機能が作動していない場合、平均34kgf(重量キログラム)になります。
JAFが実験をした動画をみていただけると解りますが、これは硬いごぼうや太い大根を両断する程の力があります。
閉まる窓を止めようとするのに、成人男性では片手でなんとか、成人女性は両手を使ってようやく止めることが出来ます。
もちろん子どもは、両手を使っても止めることは出来ません。
しかも、あくまで「止め続ける」だけであって、「戻す」「開ける」ということまでは不可能です。
そのため、運転手が気付かずに窓を閉めて、そこに挟まってしまうと大怪我に繋がります。
実際に、いくつかの事故事例を見てみましょう。
- 乗用車の後部座席に乗って窓から頭を出していた際に、運転手がそれに気付かず窓を閉めた為に首が挟まれた。 (2007 年 9 月・3 歳・女児)
- 息子が車のパワーウインドウに手の指を挟まれ骨折した。(2006 年 3 月・9 歳・男児・鳥取県)
- パワーウインドウに右手中指を挟み指先を欠損した。(2009 年 10 月・1 歳・女児・長野県)
やはり子供が怪我をしてしまうことが多いですが、大人でも十分に注意をしなければなりません。
運転席で操作する場合は、後ろでどうなっているのかよく見えないまま閉めてしまうこともあると思いますが、必ずよく確認してから操作するようにしましょう。
挟み込み防止機能って?
窓の上昇中に異物の挟み込みを感知すると、窓の上昇をストップし逆に下降する安全装置(挟み込み防止機能)を開発し、多くの車に装備されている。
パワーウィンドウによる挟み込みの事例が増えたため、安全のため挟み込み防止機能が搭載されるようになりました。
※車種によっては搭載されていないものもあります。自分の車がどうなのか確認しましょう。
ただし、この機能が付いているからと言って絶対安心というわけではありません。
窓が閉まる直前に手などを入れても、挟み込み防止機能は作動せずそのまま閉まってしまいます。
そのため、窓が閉まりきるまでは絶対に触ったり手を出したりしないようにしましょう。
運転手が操作する場合は、必ず声をかけたりきちんと確認してから閉めるようにしてください。
また逆に、挟み込み防止機能の誤作動で窓が閉まりきらなくなってしまうなどの症状が出る事があります。
誤作動の原因としては窓ガラス自体の汚れによって抵抗が増したり、ガラスラン(ドアガラスの周囲にあるゴムの部分)の溝の汚れや劣化などが考えられます。
窓ガラスの掃除やゴムの溝部分の掃除、古くなったガラスランの交換をすることで防ぐ事ができますので、窓ガラスも定期的に綺麗にするようにしましょう。
リセット作業はどうやるの?
車のパワーウィンドウが閉まらない。。。とりあえずなんとか3分の1閉めたけど。。。雨じゃなくて良かった。
— リンゴレン (@ringo373Ytencho) February 23, 2017
挟み込み防止機能が誤作動を起こし、窓が全閉しなくなってしまった場合リセットをすることで直すことができます。
リセットのやり方は次の通りです。2段階あります。
挟み込み防止機能の初期化
- キーをACC(右に1つ回すことでエンジンがかかっていなくてもエアコンやラジオが使える)の状態にする
- 運転席のパワーウィンドウのスイッチボタンを、オートで下がるところまで押す
- スイッチは押し続けたまま、キーをONにする ※エンジンはかけない
- スイッチボタンを離す
- キーをACCに戻す
- (1)~(5)を続けて4回繰り返す
- 上下動作をさせて、自動で上下ができなくなったことを確認する
全閉位置を記憶させる
- 窓を少し開ける
- スイッチで窓を閉める ※自動ではなく手動でスイッチを引いて閉める
- 閉め終わった後4~5秒くらいスイッチを引いたままにしてから離す ※この時間が長すぎると記憶しない場合があります
- 全閉・全開を何度か確認して、問題なければ終了
※車種によってリセット方法が異なる場合があります。
リセット作業を行っても、誤作動が直らない場合があります。
メーカーや車種・誤作動の原因によってはバッテリーを切り離したりなどの作業が必要になることも。
ご自身で行うのが不安であったり、やっても直らないという場合などはディーラーに相談してみましょう。
挟み込み防止策は?何に気をつければいい?
いくつかの事に注意するだけでもパワーウィンドウによる挟み込みを防止する事ができます。
特にお子さんを乗せる際には注意して欲しい事になります。
1.スイッチなどに触らないよう、あらかじめ注意しておく
きちんと、なぜ触ってはいけないのかを伝えてあげましょう。
それでも触ろうとしたり、目を離した隙にイタズラしてたり…ということもありますが、根気よく「危ない」という事を子どもに認識させてください。
2.子供を乗せる際は必ずチャイルドシートに座らせる。
6歳未満の子どもはチャイルドシートに必ず乗せなければならないと、法律で義務つけられています。
チャイルドシートに載せることで子どもの動きも制限する事ができます。
子どもの安全にも関わってくる事なので、チャイルドシートには必ず座らせましょう。
3.窓から手や頭などを出さない・出させない
子どもに限らず大人もですが、窓から手や頭などを出さないようにしましょう。
また、子どもの座っている側の窓を開ける時には全開にしないなど、手などが出せない程度に開けるようにしましょう。
4.子どもだけを車内に残さない
「寝ているからちょっとくらい…」「すぐ車に戻ってくるから…」といって、子どもだけを車内に残すのは避けてください。
車で目を覚まして色々触ってしまう可能性もありますし危険です。
子どもを連れて買い物をしたり用事を済ませたりするのは大変ではありますが、子どもを守るためにも必ずそばにいてあげてくださいね。
5.エンジンをかけっぱなしにしない ※恐怖の実体験アリ
どうしても子どもを置いて車を離れなければならない事情がある時には、必ずエンジンは切ってください。
エンジンを切っておけばパワーウィンドウなどが作動しませんので、危険性を減らす事に繋がります。
これは私の実体験ですが、以前娘と夫が寝ていたので、エンジンをかけたまま車を離れました。
用事を済ませて車に戻ると、なんと娘だけ起きてチャイルドシートから自力で降り、運転席付近でスイッチやらハンドルやらをいじっていた事がありました…。
とても危ない状況にしてしまっていたんだということがわかり、それ以来は上記の事を必ず実践するようになりました。
「子どもはまだ小さいし何もできないだろう」と思っていると危ない目に合わせてしまうかもしれません。
大人がきちんと危険防止をしてあげましょう。
知ってた?チャイルドロックとウインドウロック
運転中に対処する事ができない以上、子どもが窓やドアなどを悪戯できないように事前防止する事も大切です。
車にはチャイルドロックとウィンドウロックという機能がついています。
この機能を使えば、窓やドアへの悪戯の防止にもなります。
・チャイルドロックとは
後部座席の車内からドアを開けられなくするためのものです。
子供が勝手に取っ手やつまみをいたずらして、走行中などにドアが開かないようにします。
後部座席のドアを開けると、厚みの部分にロックの切り替えがついています。
小さい子どもがいる世帯の方でないと、チャイルドロックが車についているかも解らない方が多いのではないでしょうか。
・ウィンドウロックとは
運転席以外の窓が開かないようにしたのものです。
運転席の窓を開けるボタンの近くに、ロックをかけるボタンがあります。
普段子どもを乗せない方などは、チャイルドロックもウインドウロックも解除している場合が多いのではないでしょうか。
子どもを乗せる時には、窓を開けたり閉めたりの悪戯防止や危険回避にも役立ちますので、忘れずにロックをかけるようにしましょう。
パワーウィンドウの挟み込みに、ペットも注意!
パワーウィンドウの危険性について書いてきましたがいかがでしたか?
またこれは、人間だけではなくペットを乗せた時も同様のことが言えます。
動き回って、足がスイッチなどに触れてしまったら危険ですよね。
パワーウィンドウに挟んで怪我をするなどといった事故の件数は他の事故などに比べればかなり少ないです。
だからといって起きないわけではありませんし、指の骨折や欠損、悪くすれば命に関わるような重大な事故になる事もあります。
大事な子どもやペットを守るためにも、十分に注意をして安全で楽しいカーライフにしましょう。
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