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【車の雑学】車の給油口は右左どっち?停車せず見分ける方法と左右バラバラな理由

【車の雑学】車の給油口は右左どっち?停車せず見分ける方法と左右バラバラな理由

車を買い替えて初めて給油する時や、代車を借りた時など、元々乗っていた車と同じようにスタンドに入って給油口が逆だった経験ありませんか?車の中からだと、給油口の蓋は見えないので、停車して確認するしかないと思っていませんか?また、どうして給油口の位置が統一されていないのか疑問に思う人もいると思います。そんな疑問を、スッキリ解決しましょう。

今乗っている車種:MINI…

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  • 最終更新日:2016-12-6 / 投稿日:2016-8-17

あれ?給油口の左右どっちだっけ?なんと車を降りなくてもわかるんです!

新しい車や営業車、レンタカーなどは、左右どちらかがわからなくなることも多いのではないでしょうか?確認しようとドアミラーを除いても、見えませんよね…

自動車の給油口は、多くの車が車体の後方にあるため、ドアミラーで覗いても位置が良く見えません。ポルシェなど、車体の後ろ側にエンジンの載っている車は、給油口が前(フロント部分の左右)にある場合もあり、これは確認しやすいのですが、車が特殊な構造のため、一般の車ではなかなか実現できません。

 

 

しかし最近の車は、車内にいても給油口の左右がわかってしまうのです。

給油警告灯をよく見てみると…

2000年以降に販売されている国産車では「ユニバーサルデザイン」の採用を行い、給油警告灯の横に三角形の矢印が表示されるようになりました。

 

 

  • 三角矢印が◀(左向き)の場合は、給油口は左にあります。
  • 三角矢印が▶(右向き)の場合は、給油口は右にあります。

これは、レンタカーの普及などで、様々な車に乗る機会が増えた事で採用されるようになったのです。それ以前の車はと言うと、昔はドライバーの責任はとても重いものと考えられていたので、当然、取扱説明書をきちんと読んで車自体を確認してから運転するものとして、特に車内から確認できる方法はありませんでした。


このような事情から、2000年以降の車では、給油ランプが点灯したら、左右どちらに三角矢印のランプがあるかを確認する事で、給油口の位置を知る事が出来ます。

 

 

輸出仕様車など、一部の車種では「FUEL DOOR」という表示の横にランプがある場合もあります。

 

国産メーカーの給油口は左側が多い

日本国内販売の乗用車(現行車種)に関して、各メーカーごとに調べた。

◆トヨタ・レクサス:ほとんど左(ランドクルーザー、ラッシュなどは右)。
◆日産:ほとんど右(ティアナ・ムラーノと、軽の4/6が左)。
◆ホンダ:ほとんど左(アクティ、バモス・バモスホビオは右)。
◆マツダ:左が多数派(アクセラ、プレマシー、ビアンテなどは右)。
◆スバル(富士重工):ほとんど右(デックス、サンバーは左)。
◆三菱:左と右の割合は約55対45。
◆スズキ:ほとんど左(5車種だけ右)。
◆ダイハツ:ほとんど左(3車種だけ右)。

国産車では、特にメーカー毎の統一は進んでおらず、日産自動車のみ2000年以降に設計製造された車で右側統一を図っていますが、軽自動車では左側も多いようです。

その他のメーカーも、スバル車は右側が多いですが、他のメーカーは左側が多い程度の傾向はありますが、特に統一されているメーカーはありません。

それは、車種ごとに性能の特性を出すために、車の構造に様々な試みをしているので、給油口も、それぞれの車種の構造を考慮した、安全な位置に設置されているようです。

■レクサスは左側

 

 

■セレナ(日産)は右側

 

 

海外のメーカーの給油口はどうなの?

◆フォルクスワーゲン(独):すべて右。
◆メルセデス・ベンツ(独):ほぼ右(Vクラスは左)。
◆BMW(独):すべて右。
◆アウディ(独):すべて右。
◆ミニ(英):すべて左。
◆ポルシェ(独):すべて右。
◆ボルボ(スウェーデン):すべて右。
◆プジョー(仏):207は左、308と407は右。
◆フィアット(伊):すべて右。
◆アルファ ロメオ(伊):すべて右。
◆フォード(米):左右混在。
◆ルノー(仏):ほぼ右(カングーは左)。

海外のメーカーでは国ごとに統一されている場合が多いようです。

ヨーロッパ車の中でも特にドイツ車は、メーカー統一で右側設計です。その他、イタリア車も右側統一のメーカーが多く、逆にイギリス車では左側統一のメーカーが多いなど、道路の右側通行、左側通行などのお国事情で設計の差があるようです。

■フォルクスワーゲン(ドイツ)は右

 

 

 

■MINI(イギリス)は最新モデルは右にありました

 

 

世界には、給油口が両方ある車もある!?

 

 

世界には、ちょっと変わった車が存在しますが、給油口でも変わった車があります。

それは、ジャガーXJ4.2Cです。この車は、給油口が左右両方についています。1960年代から70年代にかけて製造された車のため、給油口が両方についている設計コンセプトは解りませんが、混雑しているセルフスタンドでは、開いている場所で自由に給油できるので便利そうです。この機能を今後の車が採用した場合、車が進化するのか逆行するのかは謎です‥

 

給油口の左右の位置を決める理由1:マフラーの位置との関係

 

 

給油口に燃料を給油するノズルを入れたら、注入した燃料は燃料タンクに流れ込みます。このタンクは金属製や多層構造の樹脂で出来ているため、外からの熱の影響を受けます。このため、どの車でも、高温になりやすいエンジンルームから外に出して配置してあります。そして、衝突時の衝撃でタンクが破損するのを防ぐため、車体底面の真ん中か後ろ寄りに配置されています。

先に説明した、エンジンがリアに載っている車も、エンジンルームが普通の車のトランク部分にあるので、燃料タンクは真ん中にあり、このため給油口が前に設置されています。なので、普通の車は給油口は後側です。

マフラー付近に燃料が垂れると爆発の危険も!

しかし、車にはエンジン以外にも高温になりやすい部品があり、その一つがマフラーです。ガソリンなどの燃料は引火しやすいため、万が一、給油中に燃料が漏れた場合、マフラー付近に燃料が垂れたら爆発する危険性があります。


また、マフラーはそれ自体も高温になりますが、吹き出し口からは高温の排気ガスも噴き出ます。そして、ガソリンなどの燃料は、引火しやすい気化ガスを発生させます。もし、マフラーに近い場所に給油口があると、爆発する危険性があるのです。

セルフのガソリンスタンドなどで、給油している最中に給油口付近を見ると、空気がユラユラしているのが見えると思います。これが、気化ガスです。これに引火する危険を回避するためにも、マフラーの吹き出し口の反対側に給油口を設置し、出来るだけ安全に給油できるよう配慮されているのです。

最近の車では、給油する際、エンジンを切らないと給油口の蓋が開かない車種も出てきています。

給油口の左右の位置を決める理由2:法律の関係

給油口の位置とマフラーの関係はわかっても、マフラーが左右両方から出ている車もあるので、その場合、ちょっと解り辛いですね。

 

 

しかし、そこにもきちんと安全考慮があって給油口の位置が決まっているのです。そして、その給油口の位置をメーカーが決める基準は、実は法律で細かく決められています。


国土交通省管轄の法律の一つである「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第18条7項で「燃料タンクの注入口及びガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から 300mm 以上離れていること。」とあり、この規定に沿って、給油口の位置が決まっているのです。


その上で、更にメーカーが安全性を高めるために、マフラーの配管が車体底面のどちらを通っているかも考慮して、極力熱源から離して給油口を設置しています。

給油口の左右の位置を決める理由3:歩行者

「マフラーは歩行者から遠い右側が好ましい(日本は左側通行)」ので、給油口が左側になることが多いとのこと。

なるほど!歩行者のことまで配慮して給油口の位置は決められているのですね!日本の自動車メーカーのこだわりが伝わってきます。

 

右側の給油口の車のほうが意外とメリット多い?

実際にまわりの車を見回してみても、左側の給油口の車が多いですね。右側に給油口があるドライバーさんは、給油のレーンが左側よりも早く回って来ることが多いのかもしれません。給油口が右にあるとバイトのスタッフとの会話もしやすいなんてメリットもあるようですね。

あまり意識することのない「給油口の右左」ですが、調べてみると、自動車メーカーが色々配慮して設計されている事がわかりました。

車の燃料が爆発しやすい事、車にはエンジンやマフラーなどの高温になる機構がある事を考えると、一歩間違えるととても危険な機械だという事にも気が付くと思います。給油の際には細心の注意を払い、キャップの閉め忘れにはくれぐれも気を付けましょう。

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