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東北の自然の恵みがギュッと詰まった、南三陸ワインプロジェクトの白ワイン仕込み体験

「東北の自然・食・文化の体験を通してディープな東北の魅力を感じてほしい!」というミッションを掲げ、東北を取材で走り回っています。
今回は、「南三陸ワインプロジェクト」さんのワイン仕込みのお手伝い体験に参加させていただきました。
南三陸ワイナリープロジェクト 「南三陸に海のみえるワイナリーを」
南三陸町は宮城県の北東部にある町です。志津川湾など海に面しており、リアス式海岸特有のとっても美しい景観が魅力です。
2011年の東日本大震災で甚大な被害を受け、震災により人口減少・少子高齢化が加速し、そのために産業の担い手が不足…という課題が。
南三陸ワインプロジェクトは、それらの課題解決のために「南三陸町に海の見えるワイナリーを」と立ち上がったプロジェクトです。
ワインのブドウの生産と南三陸産ワインの醸造によって、南三陸町の産業を活性化する役割を担っています。
さらに町の特産のカキ・ホタテ・タコ・ホヤなどの海産物とワインのマリアージュを提供し、ファンを増やすことによって、南三陸へ訪れる人を増やしています。
2017年春に活動をスタートし、2019年にはプロジェクト初の商品「白ワイン」「スパークリングワイン」の2種類のワインが販売されました。
2020年、海の見える南三陸ワイナリーの完成に向けて、代表の佐々木 道彦さんと醸造部長の正司勇太さんが活動しています。
今回は完熟デラウェアで白ワインの仕込みのお手伝い
南三陸ワインプロジェクトのワインなのですが、実はまだ南三陸にはワイン醸造の施設がありません。そのため、今回は秋保ワイナリーさんの醸造所をお借りして作業しました。
白ワインの一般的な醸造法・仕込みの流れ
・ぶどうの収穫
★選果…ダメージを受けている粒を取り除く
★除梗 破砕 …房から果梗を取り除く
★ 圧搾 …破砕したブドウから果汁を搾る
・発酵…タンクを使用し、 果汁のみを発酵させる
・澱(おり)引き…発酵後に、タンクの底部にたまる澱と上澄みのワインを分別する。
・清澄 濾過…清澄剤を加えて、かすを取り除く。
・瓶詰…完成したワインを瓶に詰めて栓をする。ラベルを貼る。
今回は、★の選果から、 圧搾 までの工程をお手伝いしました。
9:00 集合(秋保ワイナリー)

今回のワイン仕込みは私を含めたボランティア5名+南三陸ワイナリーと秋保ワイナリーのスタッフさんで実施。
ボランティアスタッフは、常連さんから初体験の方までさまざまでしたがなんと全員女性でした!
9:15 本日の作業の説明

南三陸ワイナリープロジェクトの佐々木さん、庄子さんから、本日の作業の簡単な説明がありました。
とにかく「安全第一で!」とのこと!
9:30 選果作業スタート

作業台の近くに、収穫されたデラウェアという品種のブドウが運ばれてきました。

とっても甘いよい香りが漂います…
選果の具体的な作業は、このブドウの中から、傷んでいるものをみつけて、手で取り除き、状態のよいブドウだけを残すということをしていきます。




最初のほうは丁寧に傷んでいる部分を取り除いていたのですが、このペースでは作業が終わらず日が暮れてしまう…
1日で仕込みを終えなければいけないので、作業は時間との闘いでもあります。
作業中でもどんどんやり方を変えて、効率的な選果作業にするために、みなさんの知恵を出し合います。
流れ作業方式にやり方を変更したところ、作業スピードはいっきに何倍にも!この調子なら無事終わりそうです。
こういった、作業中の熱い空気感はやはり現場に来ないとわからないものだな…と感動しました。
10:00 除梗 ・粉砕スタート

選果したブドウから、この除梗破砕機にブドウを投入して、果梗(茎の部分)と果実を分離し、ブドウの粒のみを取り出します。




私も、機械にブドウを投入する作業をやらせていただいたのですが、ブドウがたっぷり入ったケースはかなり重かったです。
ほどよい筋トレにもなり、心地よい汗もかきました!
11:00 プレス機で圧搾 スタート

除梗 ・粉砕されたブドウの粒は、こちらの大きな搾汁機(プレス機)に入って、ブドウ果汁が絞り出されます。


絞り出された果汁はこの大きなシルバーのタンクに入り、 発酵されます。

タンクに入る前の、搾りたてホヤホヤのブドウ果汁を飲ませて頂きました。
あまみがギュッと詰まって、口の中に広がりました。
他の方は「少し酸味があっておいしいワインになりそう」とおっしゃっていました。
早く出来上がったワインを飲みたい!!
【番外編】箱詰めのお手伝い

「南三陸のワインを 結婚式の引き出物として贈りたい!」という素敵な新郎新婦様のための、ワインの箱詰め作業をお手伝いしました。



少し時間があったので、秋保ワイナリーの出戸さんからブドウ畑についてお話を聞かせて頂きました。
ちょっと聞いただけで、ワイン用のブドウに対する知識はいっきに深まり、もっともっと知りたくなってきました。


興味深かったのは、「ワインには作り手の性格が出る」というお話。
一見、面白い人に見える人がつくったワインを、実際に飲んでみると、「あれ、意外と真面目なんだね」なんて本質を言い当てられてしまうこともあるとか。
几帳面な人が作ったブドウ畑は、きちんとブドウがまっすぐに並んでいて、そこのブドウで作ったワインからもそれが伝わってくるそう。
いろんなワイナリーを巡って、「この人が作るワインはこんな味がしそう…」などと想像しながらワインを楽しむのも素敵だな、と妄想が膨らみます。
12:00 南三陸の食材を味わう!青空ランチタイム

秋保ワイナリーの素敵な空間で青空ランチ!
食材の多くは南三陸のものを使用し、南三陸の井原シェフが腕を振るったランチメニューを頂きました。
<本日のランチMENU>
・鶏とトウモロコシのポトフ風
・タコ飯おにぎり
・ピーマンとナスと牛肉のオイスターソース炒め
・いぶりがっこのポテトサラダ




12:40 プレス機からブドウの皮を取り出す

いよいよ最後のお手伝い、圧搾が終わり皮だけになったブドウをプレス機から取り出します。
プレス機の大きなタンクをくるくる回しながら取り出すのですが、ものすごい量で、ドサッドサッと落ちてきます。

ここまでで、本日のお手伝いは終了です。
半日ワイン仕込みを体験してみて感じたこと

・自分がお手伝いしたワインは絶対に買って飲みたいし、友達にもプレゼントしたい
・手間暇かけて作られた高いワインも飲んでみたくなった
・もっとワインのこと、ワインの作り手さんのことが知りたくなった
・南三陸ワインプロジェクトのファンになった。これからも応援していきたい
たった4時間の初めてのワイン仕込み体験でしたが、ワインへの愛がものすごく高まりました。
普段何気なく食べたり飲んだりしているものは、必ず作り手がいて、手間暇かけて愛情かけて、たくさんの苦労もして作り上げているのだな…と改めて実感しました。
商品を手に取る時に「これは誰がどんな思いで作ったのだろう」と考えながら手に取り、味わう。
日常にそんな瞬間を増やしていきたいな、と思えた体験でした。

南三陸ワインプロジェクトのこれから
2016年からスタートした、南三陸町でのワイン用ブドウの栽培。
3年目の今年10月、いよいよシャルドネの初収穫を迎え、南三陸産のブドウでのワイン作りがスタートします。
10月13日(日)には、南三陸産ぶどう初収穫記念イベント「ぶどう畑でワイン会in南三陸」も開催されます。
そして2020年には海が見える場所に南三陸ワイナリーがOPEN予定です。
どんどん描いた夢を実現していく「南三陸ワインプロジェクト」。これからも目が離せません。
今回の体験は南三陸ワインプロジェクトのfacebookページで見つけて参加しました。最新の情報など気になる方はぜひチェックしてみて下さいね。
南三陸ワインプロジェクトのシャルドネのブドウ畑はこちら↓
南三陸町へ行こう!
南三陸ワインプロジェクトの他にも、南三陸町にはたくさんの魅力的な観光スポット、飲食店、宿泊施設、体験、取り組みがあります。
南三陸町の宿泊先や体験は、南三陸町観光協会公式予約サイト「みなたび」に魅力的なプランがたくさん掲載されています。
南三陸町へのアクセス
南三陸町へは、仙台駅から行く場合、車・高速バス・電車での移動となります。
車の場合:仙台駅から、南三陸町のほぼ中心部にある「南三陸ポータルセンター」まで約90分程度
仙台空港からも約90分程度
高速バスの場合:仙台駅西口からBRT志津川駅まで約1時間40分程度
※仙台駅西口・宮交仙台高速バスセンター40番のりば乗車➔BRT(路線バス)志津川駅降車
電車・BRT(路線バス)の場合:仙台駅から南三陸町内の駅まで、約2時間30分
アクセス方法の詳細は「南三陸観光協会公式HP」がとても分かりやすいです。
まだ南三陸町の魅力を体験したことのないかた、一度来ればその魅力のとりこになるかも!
(体験者:クラッチ編集部 石部敦子)
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