台風が車に与える被害とは?自動車保険で台風被害はどこまで補償されるの?
超大型の台風が連続で日本に上陸するなんてことが増えてきていますよね。実際、災害レベルの超大型台風では車にどんな被害が出るのでしょうか。 もし、自分の車が台風の被害を受けたら車両保険は適用されるのか?保険料は上がってしまうのか?など気になりますよね。 また、ニュースで耳にする「災害救助法」は実は、車両保険にも適用されたりします。知っておいたほうが良い自然災害と自動車保険の関係もご紹介します。
免許取得歴:6年 今乗っている車種:audi A3(中古で購入) 車に対する思い:免許…
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- 最終更新日:2018-11-15 / 投稿日:2018-11-8
目次
台風の強さと大きさについて
毎年日本を襲う台風ですが、最近では海面温度が上昇したことで、大型のまま・勢力が衰えず強い勢力のまま日本に上陸することが多くなっています。
天気予報などでも「今回の台風●号は大型で強い台風」という言い方をされますが、具体的な「サイズ」「風速」でその規模や強さが表現されるのをご存知でしょうか。
- 台風の強さ …最大風速で強風かどうかで「強い」「非常に強い」「猛烈な」3段階
- 台風の大きさ…風速15m/s以上の範囲の大きさによって「大型」「超大型」の2段階
台風の強さが「強い 」とは、最大風速が10分間の平均で 33~44未満(m/s)の時だそうです。
風速33m/sとは、実際にはどんな強さの風なのでしょう。
資料によると、「強い台風」の風速30m/sとなると人は立っていられないレベルです。
そのため、大型で強い台風が直撃した場合には、長時間そうした強い風にさらされることに対する備えが必要、ということになります。
参考:気象の知識|紀の川市
大型・強い台風は車にどんな被害をもたらす?
ニュースでも台風が来ると、車が大雨で浸水したり、強風によってトラックが横転したりする様子が報道されていますね。
実際にどれぐらいの風や雨でどのような被害があるのでしょうか。
風では横揺れ・横転の危険があるので走行が規制される場合も
・「やや強い風」と表現される風速10以上15未満(m/s)の風
風速10m/sは、人が傘がさせない状況です。
高速道路など速度を出したときに、車が横に流される感覚があります。
また周囲に古い看板などがあると、取れてしまう強さの風なので、車に当たったりする可能性が出てきます。
・「強い風」と表現される風速15以上20未満(m/s)の風
人は、なにかにつかまっていないと立つのが難しくなってくる風です。
車に乗っていると、横に流される感覚がより強くなります。
風速15m/sになってくると高速道路では速度規制がかかることが多いです。
・「非常に強い風」と表現される風速20以上30未満(m/s)の風
車は通常の速度で運転することが困難になります。
車が自分の意思に反して横に流されたりして、対向車とぶつかってしまう可能性も出てきてしまいますね。
建物でいうと、ブロック塀が壊れるような強さです。
・「猛烈」な風と表現される風速30以上(m/s)の風
トラックなどは走行中に横転する可能性が高まります。
猛烈な風で風速50m/sを超えてくると、停車している乗用車でも横転する可能性が出てきます。
風速60m/s付近になると横転するだけではなく、車は吹き飛ばされてしまいます。
台風24号、近畿を襲った前回の台風で、隣のマンションが大きな被害を受けたことから、息をひそめていた。また、近くの駐車場では多くの車が宙を舞った。あの、恐怖は忘れられない。幸いにして大阪近辺では大きな被害は免れたようだ。強い風の中、ベランダに植木を戻した。
— 平松邦夫 (@hiramatsu_osaka) October 1, 2018
参考:気象の知識|紀の川市
雨による被害について
雨による冠水は、道路の状況や地形によって目安となる雨量は前後しますが、1時間に50mm以上の雨が降れば、冠水の可能性が高くなります。
冠水した車の被害
マフラーの排気口、バンパーの下面あたりまで浸水してしまうと車に何らかの影響が出ると言われているそうです。
- ・エンジンルームに水が入って故障する
- ・もしも海水が混ざっていると金属部分がサビるので、雨水よりも被害が大きくなる可能性がある
- ・車の中まで水が侵入するとシート類に匂いがついて特別なクリーニングが必要な場合がある
また、冠水してしまった時には気をつけなければならないことがあります。
もし、冠水してしまったら身を護るために次のことを行って下さい。
- 感電を防ぐために、エンジンを切りましょう。
- 早めにドアを開けて落ち着いて外に出ましょう。
- 水の流れが早い場合もあるので、足元をよく確認しながら車から速やかに降り・車はその場に置いて水から避難しましょう。
西宮浜オークション会場で台風被害で火災炎上した、弊社グループ会社の被災車両です、他にも5台 火災被害、物損被害、完全な冠水で修復不可能です。現在のところ天災なので一切の保証はできないと誠意のない対応で、かなりの損害になりそうです。 pic.twitter.com/xlrY0u2ufs
— 放課後等デイサービス おりーぶ (@olive_care) September 9, 2018
このような被害で車に損害が出てしまったりした場合、自分の加入している車両保険ではどのくらい補償されるのでしょうか。
台風での被害は自動車保険で何パーセント補償される?
大型台風では紹介した通り、強風による横転や、冠水による車の水没が考えられます。
他に、台風での被害で考えられるものとしては
- 暴風により近所の店の看板や家の屋根瓦が飛んできて車に傷がついた。
- 豪雨による土砂崩れに巻き込まれた。
- 暴風で駐車場の木が倒れてきて車に傷がついた。
などもあります。
こうした被害は、車両保険で補償される場合が多いです。
強風や豪雨、高潮など、地震等以外の「風水害」に該当する自然災害は、基本的に補償の対象とされており、車両保険に入っていれば、車の損害に対して保険金が支払われる。
実際に、どのくらいの補償が得られるか、紹介します。
例えば、ソニー損保の保険商品では、車の損害額から免責金額(自己負担額)を引いた金額が、車両保険金として支払われるそうです。
例として:保険金額200万円、免責金額(自己負担額)10万円の車両保険に加入している場合
「車の修理費が50万円の場合」 免責金額の10万円を差し引いた40万円が保険料として支払われることになります。
ただし、例えば水没や土砂に埋もれた場合や、倒木の下敷きになり車がペシャンコに潰れたような場合には修理費が200万円を超えることがあります。
その場合ですと「全損」という扱いになるそうで、その場合は保険金額の200万円が全額支払われるそうです。
この事例はあくまでも、ソニー損保の一商品です。
自動車保険も様々ありますので、いくつか見積もりを取るなどして比較して加入先を選ぶことをおすすめします。
台風で保険を使った場合、等級に影響する?
通常、交通事故などで車両保険を利用した場合、1事故につき翌年の等級が3つ下がります。
自動車保険は等級が下がれば保険料は高くなります。
しかし、台風が直接の原因になるような事故は「1等級ダウン事故」と呼ばれています。
その名の通り通常の事故と違い、等級が1つ下がって翌年だけ事故あり係数(※)が適用されます。
※事故あり係数とは
同じ等級で事故を起こした人と、事故を起こしていない人の保険料が同じにならないように適用される仕組みです。
14等級でも、無事故の人と、事故を起こした人とでは保険料が、事故を起こした人のほうが高くなります。
しかし、あくまでこれは車両保険のみを使った場合です。
車のドアを開けたら強風で勢いよく開いてしまい、隣の車にぶつかった場合は注意が必要で、こうした台風が原因でも対物賠償保険を使うようなケースは通常の事故と同様に翌年3等級下がり事故あり係数も3年間となります。
「災害救助法」では自動車保険も特別の措置がある
災害救助法とは
災害救助法は、災害時に国が地方公共団体などから協力を得て、応急的に必要な救助を行うことです。
災害にあった方の保護と社会の秩序の保全を図ることも目的とする昭和22年からある法律です。
参考:災害救助法の概要|内閣府
災害救助法が適応された地域では様々な救済措置があり、車両保険も救済措置に含まれています。
契約者が法が適応された地域に住所を置いていれば以下の2つの措置が行われます。
1.継続契約の締結手続きの猶予
災害救助法が適応された日から2か月以内に自動車保険が満期を迎える場合、継続手続きを2か月まで猶予されます。
例えば、台風により契約者の自宅が浸水、土砂崩れなどに遭ってしまい、避難所でも生活を余儀なくされたとします。
そうなると保険が満期を迎えて継続手続きをしようにも、出来ない人が多いでしょう。
契約者本人と連絡が取れず手続きができないことを想定しての措置だそうです。
万が一事故に合った場合、その日が保険の満期を迎えても2か月以内だったら保険が適用されるということですね。
2.保険料の払い込み猶予
災害救助法が適用された日から2か月以内に被災してした場合、本来払うべき保険料を2か月間まで猶予されます。
これも災害により契約者本人と連絡が取れなかったり、最悪の場合亡くなってしまっていることもあり得ます。
安否が確認でき、銀行等が正常に動き出すのを待つための措置です。
車の台風被害には自動車保険の備えと未然に防ぐ準備を!
紹介した通り、通常の自動車保険であれば台風による被害にも対応していることが大半です。
しかし、いくら保険が適応されて金銭的負担が減ったとしても、翌年等級が下がるという影響もあります。
また、車が破損すると修理費用がかかったり、その間使えなかったり不便です。
そうなっては困るという方は、事前に台風の被害に対して対策しておく必要があります。
- 車をいつも駐車している場所の飛びやすい物を屋内に入れたり安全性を確保
- よく使う道路などに冠水しやすい場所がないか確認
- 強風や大雨がひどくなるようならできるだけ運転を控える
- 自動車保険の補償範囲を見ておく
日頃からの注意も必要ですが、台風接近の予報をみたら、特に念入りに準備しておきましょう。
3ステップでわかる自動車保険の基礎知識
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