
御料車とは?トヨタ・センチュリーロイヤル以外の車種もある?皇族の方の車や皇ナンバーについて
平成天皇の退位や新しい元号発表のスケジュールなどが決定して平成が終わろうとしています。2019年10月には新しい天皇陛下のパレードが予定されるなど皇室の話題が多い年になりそうです。 天皇や皇族の方が車で移動されるお姿をテレビで目にする機会も増えそうですが、ニュースなどの映像でお見かけする天皇陛下皇后陛下の乗られている車は特定のものだと御存知でしょうか?天皇陛下が公務で外出をされるときには、御料車と呼ばれる車が使われるそうです。この御料車や皇族の方が使う車については、特殊なナンバーのようなものが付いているなど様々な決まりがあります。 また、皇族の方が持っている車に税金はかかるのか?などについても合わせて調べてみましたので紹介します。

免許取得歴:20年以上 今乗っている車種:Nissan Skyline(中古で購入) …
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- 投稿日:2019-2-4
目次
「御料車」とは天皇皇后両陛下がご公務の際に乗る車
御料車(ごりょうしゃ)という言葉を知っていますか?
皇族の方が乗る車という書き方をしている情報サイトもありますが、宮内庁の定義を見ると天皇と皇后が乗る車を「御料車」と呼んでいることがわかります。
御料車は,天皇皇后両陛下がご乗用になる車両で
また、御料車はどんな時に使用されるのかについては、国会開会式への移動や、追悼式などへの出席といったご公務の時とされています。
国会開会式,全国戦没者追悼式及び国賓接遇などに限定的にご使用
出典:御料車について|宮内庁
御料車の車種は「トヨタ・センチュリーロイヤル」
「桜とセンチュリーロイヤル」 pic.twitter.com/V1o7f1FQYK
— 安藤モータース (@ando_mts) April 5, 2017
現在御料車として使われている車両は、トヨタ・センチュリーロイヤルです。
トヨタ・センチュリーロイヤルは8人乗りの黒塗りのリムジンです。
なお、トヨタ・センチュリーロイヤルは、一般には販売されていない車です。
御料車はトヨタのセンチュリーロイヤルだけ?
トヨタのセンチュリーロイヤルは2006年に最初の1台が納入されました。
それまでは日産プリンスロイヤルだったのですが、センチュリーロイヤルは御料車として6代目です。
歴代の御料車は数年ごとに変わっていますので、その変遷をまとめてみました。
歴代の御料車について
初代:イギリスDaimler(ディムラー)
初代御料車は、1912年(大正元年)に大正天皇即位時に採用となったイギリスの Daimler Motor Companyの車両です。
この車はかつてイギリス王室でも乗られていて、友好条約を結んでいた関係性から採用されたと言われています。
ちなみに、Daimler(ディムラー)は、ドイツのDaimler(ダイムラー)と同じ名称ですが別の会社です。
イギリスのDaimler社は、ドイツでエンジン設計技術者のダイムラー氏がイギリスでエンジン生産をするために作った会社だそうです。
現在はジャガーの傘下となりDaimlerブランドの車は生産されていません。
2代目:イギリス ロールスロイス「Silver Ghost」
1921年(大正10年)から御料車として導入されのが、当時イギリスの自動車メーカーであったロールスロイスです。
このうちの1台が、1923年の虎の門事件(銃撃事件)で被弾しています。
防弾性能などが装備されていなかったのですが、その時乗っていた昭和天皇(その当時は皇太子摂政宮裕仁親王)に大事はありませんでした。
ことできごともあり、次に購入した御料車からは防弾の機能が強化されたと言われています。
3代目:ドイツ メルセデス「ベンツ 770」
1932年(昭和7年)に導入されたのがメルセデス・ベンツ770です。
メルセデス・ベンツ770は、1931~1935年の4年間で7台導入され、その内の2台は防弾仕様に改造されています。
1台が戦争によって焼失しましたが、4代目が導入された後も1968年に至るまで使用されています。
平成の天皇陛下である明仁親王と美智子皇后のご成婚(1959年)のときにも使用されています。
4代目:アメリカ ゼネラルモーターズ「キャデラック75リムジン」
1951年(昭和26年)に導入されたのがキャデラック・75リムジンです。
戦後まもなくという状況下で、アメリカのキャデラックが導入されています。
ただし、2~3代目のメルセデスベンツやロールスロイスなども、この時期に併用されていたとのことです。
5代目:日産 ニッサンプリンスロイヤル
1967年(昭和42年)に初めて日本メーカーが作った車が御料車として導入されたのが、当時のプリンス自動車工業が開発した車両です。
プリンス自動車工業は、御料車の納品時には日産に吸収合併されていたためその車は「ニッサンプリンスロイヤル」の名称となりました。
エリザベス女王や米国大統領であったロナルド・レーガンなどの国賓が来日したときにもこの車が使用されました。
日産プリンスロイヤルは2004年まで長期間に渡り使われていましたが、日産自動車から使用停止要請が申し入れられました。
老朽化や修理・交換に必要な部品を手に入れることもままならなくなったことが理由だそうです。
現在の御料車「ニッサンプリンスロイヤル」5両は導入後40年近くを経過し,車両本体の老朽化,部品補充が困難となってきたこと等からその維持が限界に近づいており,運行に支障を来すおそれがある
歴代御料車に関して参考にしたページ
御料車の価格はどのくらい?防弾仕様など特長は?
トヨタ センチュリーロイヤル
トヨタ・センチュリーをベースにして大幅な改造がなされている内容です。
リアドアは観音開きドアで、側窓が天皇陛下のお姿がよりよく見えるように大型化されるなど、センチュリーからは大きく変更が加えられているのだそうです。
- 最初に納品された標準車は車両重量2,920kg
- その後防弾性能を高めた特装車として納入された2台は車両重量3,270kg
どちらもとても重量のある8人乗りリムジンです。
※ベース車である通常のセンチュリーは5人乗りで、1,990~2,070kg。
センチュリーロイヤルの価格
標準車が5,250万円、特装車が9,450万だそうです。
日産 ニッサンプリンスロイヤル
車自体のスペック面は4ドアのリムジンで乗員8名、車両重量3,200kgだというわかりましたが、導入当時いくらで購入されたといった情報をみつけることは出来ませんでした。
会社名:日産自動車株式会社(プリンス自動車工業と日産自動車の合併後)
製造年:1967年
東京都立川市の昭和天皇記念館に展示されていた時期がありますが、自動車技術会の資料によると日産自動車(株)商品開発企画室に保管されているようです。
御料車・皇族車のナンバーについて
皇ナンバーと品川ナンバー
皇室の公務で使用される車にもナンバープレートがついているのですが、2つの種類があります。
- 品川ナンバー
- 皇ナンバー
特殊なのは、御料車だけに付けられる「皇ナンバー」です。
皇ナンバーは直径100mmの円形で、上段に「皇」下段に数字が表示されます。
https://twitter.com/takaaki5/status/1064609624148463616
標準仕様で天皇皇后両陛下が乗車されるセンチュリーロイヤルには「皇1」。
国賓の方が来日された時に乗る防弾性能を向上させた特装車が「皇3」と「皇5」と区別されています。
今日の信任状捧呈式。トヨタ・センチュリーロイヤル特装車「皇5」。アンゴラ共和国特命全権大使を降ろし、黄色く染まった銀杏並木を通り皇居へと帰路につく。 pic.twitter.com/0m36Y2hlPK
— 篠原 かずま (@shinohara_hos) December 5, 2018
皇ナンバーというのは天皇・皇后両陛下がご公務の場合に利用する御料車で、皇太子様の公式行事などは品川ナンバーが使われるのが通例とされています。
御料車や皇族の方の車に税金はかかる?
皇族の方に関する税金に関して、日本の法律ではどのように定められているか見てみます。
所得税について定めている「所得税法」では非課税のものを規定しています。
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
出典:所得税法
その中に、内廷費という皇族が日常の費用として使われるものと、皇族費(品位保持のための費用)が含まれます。
十二 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第四条第一項(内廷費)及び第六条第一項(皇族費)の規定により受ける給付
出典:所得税法
このように定めているので、それ以外の税金はお支払いになられていると考えられます。
皇室の方が個人で所有されている車両については、自動車税金がかかるでしょう。
一方で、御料車については皇室の財産(例えば皇居や赤坂御用地など)を示す一覧には見当たりませんでした。
宮内庁の公開している資料に、トヨタ自動車から購入した時の資料はあります。
また、宮内庁がトヨタセンチュリーロイヤルの納入を発表した時の資料で5両では無く4両に減らしたのですが、その理由を「国の財政事情が厳しい折」としていることからも御料車は国の持ちものとしているかと思われます。
なお,御料車5両の今後の更新については,国の財政事情が厳しい折から,現在より1両減じて4両とする予定です。
天皇陛下が個人で所有されている車について
天皇陛下は、1991年製ホンダのインテグラRX 1,600ccを所有していらっしゃるそうです。
こちらの動画は天皇陛下の80歳の誕生日に合わせて公開されたものです。
スムーズな運転で、お車が好きなことが伝わりますね。
また、陛下は2018年の誕生日を迎えられる12月には運転免許の返納をされています。
秋篠宮家の公用車は三菱ディグニティ
秋篠宮様は、紀子様とご成婚される前からよくTVなどで映像が報道されていましたが、個人の持ち物とされる黄色のVWビートルに乗っていたのが印象に残っています。
秋篠宮家の公用車には、三菱ディグニティという車が導入されています。
「ディグニティ」は、「プラウディア」の後席空間を伸ばしたリムジン仕様車として1999年の三菱自動車のプレスリリースで紹介されています。
初代ディグニティは、2000年~2001年の間にわずか59台しか生産されたなかった車両です。
その後、フルモデルチェンジしたディグニティも秋篠宮家の公用車として納入されたそうです。
なお、皇太子殿下の個人のお車についてはあまり情報が無く不明ですが、ご公務時のお車はトヨタセンチュリーロイヤルの品川ナンバーに乗られている映像はいくつかみつかりました。
次回国民をあげての行事のパレードではどんなお車に…?
皇族が乗る車ということで、御料車や公用車、そして皇族の方が所有している車について紹介しました。
新しい元号になる2019年は皇室に関するニュースが多くなるかと思います。
2019年10月に実施すると公表された、皇太子様の天皇即位を知らせる会の「即位礼正殿の儀」でのパレードではどんな車に乗られるのか?
車に注目してみてみると、より興味関心を持ってその話題に触れることができますね。
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