
登坂車線の疑問を解決!追い越しや駐車は違反?トラックじゃないと走っちゃだめ?
「登坂車線(とうはんしゃせん、とはんしゃせん)」とはどんな車線か知っていますか。登坂車線は、坂道に設置されており坂道でスピードが出しにくい車両が利用する車線です。主にトラックなどの重い荷物を積んだ車両は上り坂になると一気にスピードが落ちてしまい、渋滞の原因になってしまいます。一般車両は利用してよいのか?この車線を使ってやってはダメなことなどどのようなルールがあるのでしょうか。速度規制や駐車規定など詳しく見ていきましょう。

免許取得歴:6年 今乗っている車種:MINI クロスオーバー クーパーS(新車で購入…
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- 投稿日:2018-8-30
登坂車線(とうはんしゃせん、とはんしゃせん)とは
登坂車線(とうはんしゃせん、とはんしゃせん)とは、坂道でスピードが落ちてしまう車のために、他の車と車線を分けて走行できるようになっている車線をいいます。
特に山間部やアップダウンの激しい高速道路に作られていることが多いですね。
坂がある場所ならどこでも登坂車線をつくれるわけではなく、道路構造令という法律に規定がああります。
(登坂車線)
第二十一条 普通道路の縦断勾配が五パーセント(高速自動車国道及び高速自動車国道以外の普通道路で設計速度が一時間につき百キロメートル以上であるものにあつては、三パーセント)を超える車道には、必要に応じ、登坂車線を設けるものとする。
2 登坂車線の幅員は、三メートルとするものとする。
出典:道路構造令
ただし、交通量の少ない場所の場合はそれに則さない場合もあります。
たとえ条件に当てはまったとしても交通量の少ない場所では、登坂車線が設けられていないことがあります。
○ なぜ、登坂車線が必要なの?
登坂車線は、主に上り坂の坂道でスピードが出にくいトラックなどの車両が使います。
片側一車線の道路で、前のトラックがどんなに遅くても追い越し禁止エリアでは、追い抜くことができません。
そうすると、渋滞を発生させてしまいます。
特に山道は一本道であることが多いので、このようなトラックがいるとひと山越えるまでずっと渋滞が続くことになってしまいます。
また、そうした遅い車に対しては、「煽りや幅寄せ」などをして、急がせる悪質なドライバーもいて危険です。
こうした、渋滞やトラブルなどを防ぐために、登坂車線を作りスピードの出にくいトラックがゆっくり走れる場所を作ったというわけです。
登坂車線の4つのギモン
疑問1:登坂車線の制限速度は?
登坂車線の道路では、最高速度60km/hとなっています。
高速道路の制限速度が80km/hと表示されていたとしても、登坂車線内での速度は60km/hとなります。
また、一般道でも同じく最高速度は60km/hです。
しかし、一般道は高速道路と違い、登坂車線と平行して走っている道路に定められた速度が反映されます。
制限速度が40km/hの一般道路では、登坂車線の最高速度も40km/hとなります。
疑問2:トラックじゃなくても走っていいの?
登坂車線はトラックだけが利用出来る道路ではありません。
一般車も通行が可能です。
疑問3:ゆずり車線、ゆずりゾーンは登坂車線とは違うの?
ゆずり車線、ゆずりゾーンも、登坂車線と同じ目的で設置されており、同じものになります。
一部の都市間道路では,「ゆずり車線(以下,
避譲車線)」が計画・供用されている1).
避譲車線は,登坂車線と同様の横断構成を持つ付加
車線として設置されるもので,後続車へ車線を譲る意志
のある人が任意にこれを利用するものである
疑問4:登坂車線でやってダメなことはある?
結論をお伝えすると、登坂車線を使って車を追い越してはいけません。
理由を説明するため、はじめに「追い越し」と「追い抜き」という言葉は実際に違うものなので、説明します。
■「追い越し」…進路を変えて、進行中の車の前方にでることです。
追い越しの例としては、左車線を走っていて、前の車が遅い場合がありますよね?その際、右車線に移動してその車を追い越してまた左車線に戻るようなシーンです。
■「追い抜き」…進路を変えずに、隣車線で進行している車よりも前方にでることです。
追い抜きの例としては、右車線を走っていた車が単純に左車線の車よりも前方に進む状態です。
追い越しは必ず「右側の車線」で行うことになっています。
そのため、左側にある車線である登坂車線で追越をしてはダメということです。
違反についてもう少し詳しく見ていきます。
登坂車線で違反になる行為2つ
□ 1)登坂車線で追い越し
○ 高速道路の場合
最高速度から見て、通常の状態で登坂車線から追い越しをすることは不可能です。
高速道路の場合、制限速度は80km/hがほどんどですから、60km/hで追い越しをすることはできません。
高速道路で登坂車線から追い越しをした時点で、すでにスピード違反をしているということになります。
ただし、制限速度内で高速道路の登坂車線をずっと走っていて、たまたま右の車が渋滞で遅い場合に早く前方に出る場合は違反ではありません。
○ 一般道の場合
登坂車線は必ず左車線なので、登坂車線を使った追い越しは違反となります。
道路交通法に定められているように、追い越しをする車両の右側を通行しなければならないです。
登坂車線は、道路の左側に設置されていますから、登坂車線を利用して追い越すことは違反となります。
これは追い越し違反となります。
- 違反点数:2点
- 反則金:9,000円
□ 2)登坂車線で停車・駐車
登坂車線に理由もなく停車駐車している車は違反です。
高速道路で停車や駐車をしている車両はあまり見かけませんが、一般道ではよく見かけますね。
ですが、登坂車線だからといって特別に停車・駐車できるわけではありませんから注意してください。
ただ、
- 車両の故障
- 急な体調不良
などといった緊急事態であれば、登坂車線に車を停めるのも致し方ありません。
その際は、三角表示板や停止表示灯を置き、後続車に知らせることが必要となります。
こんなときは積極的に登坂車線を使ってみよう
登坂車線は、遅い車が他の車の迷惑にならないために作られた道路です。
- ・荷物を多く積んで坂道で速度が出ないような
- ・古い車で坂道のスピードが出にくい車
このような場合には、登坂車線を積極的に利用して交通状況を円滑にするようにこころがけましょう。
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