エコな『水素自動車』!電気自動車との違いは?普及するまで時間がかかりそうなのはなぜ?
水素自動車を知っていますか?電気自動車よりも静かで、環境に優しく航続距離(一度の燃料で走行できる距離)も長いです。非常に優れた性能や環境性があり、最近では非常に注目されています。ですが水素の扱いや水素ステーションの普及が難しいことから、課題はまだまだあります。 では改めて、どのようなものを水素自動車というのか、水素自動車を普及する上での問題点などをご紹介します。エコのためにもこれから普及させていきたい水素自動車について、今のうちに知っておきましょう!
免許取得歴:6年 今乗っている車種:MINI クロスオーバー クーパーS(新車で購入…
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- 最終更新日:2017-9-8 / 投稿日:2017-9-11
水素自動車ってどんな車?燃料電池自動車とは違う?
水素自動車も燃料電池自動車も「水素」を燃料としています。
しかし、その水素の使い方が異なるのです。
□ 水素自動車
水素燃料エンジンを搭載し空気と水素を燃焼させ、この時に発生した水蒸気を使って走行します。
水素燃料エンジンは、ガソリンエンジンと比べて窒素酸化物の発生量が少ない上に有害な二酸化炭素が発生しないため、非常に環境に優しいものとなっています。
□ 燃料電池自動車
燃料に水素を使用する部分では、水素自動車と違いはありませんが、燃料電池自動車はその名の通り『燃料電池』を使用して走行させています。
燃料電池で水素と酸素に化学反応を起こさせ、そこでできた電気エネルギーでモーターを回します。
燃料電池自動車も大気汚染の原因となる有害な二酸化炭素や窒素酸化物は一切排出されず、化学反応で発生した水のみが排出されます。
この自動車も非常に環境に優れた自動車です。
燃料電池自動車も水素自動車の一種と考えていいです。
同じエコカーでも、水素自動車と電気自動車の違いはあるの?
水素自動車と電気自動車は、どのような部分で違いがあるのでしょうか。
○ 航続距離の違い(水素自動車の方がメリットあり!)
水素自動車は約650~750kmほど走行することが可能ですが、電気自動車は400kmほどです。
やや水素自動車の方が航続距離が長く走行することができます。
◯ 燃料補給の時間が短い(水素自動車の方がメリットあり!)
電気自動車は充電をしますが、0%の状態で家庭用充電(200V)をすると8時間ほどで満充電になるようです。
この方法以外にも急速充電や、満充電にせずとも少しだけなどもできますが、数十分かかります。
水素自動車は水素の入っているタンクの交換だけなので、ガソリンを入れるのと同じくらいです。
○ 動力の違い
車に搭載されている動力源が違います。
水素自動車には水素エンジンが使用され、電気自動車には蓄電池が使用されています。
○ 燃料の違い
水素自動車には水素と酸素、電気自動車には電気が使われています。
水素は貯蔵方法が難しいのがやや欠点です。
水素を貯蔵するには、高圧タンクが必要となります。
プロパンガスなどに使われているガスボンベでは不十分なのです。
水素は小さな分子ですので、タンクの素材に染み込んでしまい劣化してしまいます。
分厚く頑丈な高圧タンクに貯蔵しておかなければならないので、コストがかかってしまうのです。
○ 補給方法の違い
水素自動車は、「水素ステーション」と呼ばれる専用の補給場所で行い、電気自動車は家庭やステーションから補給することができます。
電気はどこの家庭にもあるので、補給がしやすいですね。
水素自動車は普及する?
現在では、水素自動車よりも電気自動車の方が認知度も普及率も高いです。
水素自動車は環境にもよく航続距離も電気自動車に比べて長いですが、全国的な普及に関してはややハードルが高いです。
□ 水素自動車の改善すべき点
○ 配給ステーションの設置
水素自動車は水素を燃料として走行しますので、水素の入手が不可欠です。
ですが、現在では水素ステーションが設定されている場所が主要都市部にしかなく、地方にはほとんどありません。
普及させるには、ガソリンスタンドのように全国どこにでもあるよう整備しなければならず、このようなインフラ整備に時間とお金がかかってしまいます。
※水素ステーションを1か所作るのに5億円かかるそうです。
また、電気自動車の場合は、電気であるためプラグさえあれば、家庭用のコンセントからでも電気の供給をすることができるので、電気自動車の需要の方が高まっています。
○ 車両本体価格が高い
現在発売されている水素自動車『MIRAI(トヨタ)』の車両価格は7,236,00円となっており、700万円を超えてしまっています。
簡単に手を出せる価格ではありませんね。
ただ、MIRAIの場合は200万円を超える補助金が出ますから、500万円ほどに本体価格なります。
それでも、まだまだ価格は高いですね。
○ 水素の扱いが難しい
水素は分子が小さいため、水素脆化が起こり金属の耐久性が低下したり、燃焼速度が速く危険とされています。
水素を管理するには、非常に慎重に行わなければならず、私たち自身の取り扱いも一から学ばないといけません。
今のガソリンスタンドのように手軽に扱うのは難しそうですね。
このような点で普及のハードルが上がってしまっており、この点を見ると現状としてはすぐ広まる!ということにはならないように感じますね。
水素自動車が普及するには時間がかかりそう
水素自動車を普及させるためには、まだまだ改善点がたくさんあります。
どんなに環境に優しく、機能や性能が優れていても燃料を手に入れられなければ、車を走らすことができません。
水素ステーションなどの整備にお金がかかる点でも、今のところは電気自動車のほうが上でしょうか。
政府は、2020年までに四大都市圏を中心に160箇所の水素ステーションを設置予定ですが、非常に設置ペースが遅いため水素自動車の普及には、まだまだ時間がかかりそうです。
また、電気自動車の方が製造コストが安いため、これから様々な企業が参入し競争が激しくなっていく予想があります。
ですから、どちらかというと水素自動車よりも電気自動車の方が早く普及するように思います。
しかし、水素自動車もこれまでご紹介した様々な改善点をクリアすることができれば、近い将来水素自動車が当たり前の時代が来るかもしれませんね。
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