踏み間違い事故対策にも!車の自動ブレーキ最新事情2017
高齢化ドライバーが年々増加する日本、そして交通事故死者数を減少させたい背景の中で、政府は、2020年までに新車の自動ブレーキ装着率を90%以上にすることを目標としています。では自動ブレーキとはどんなシステムなのでしょうか?そしてどんな時にブレーキをかけてくれるのでしょうか?
免許取得歴:20年以上 今乗っている車種:Nissan Skyline(中古で購入) …
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- 投稿日:2017-5-16
目次
ペダルの踏み間違い事故の増加で自動ブレーキへの期待が高まっている
最近、特に高齢者による、アクセルとブレーキの踏み間違い事故のニュースがよく耳にされるようになりました。
「自動ブレーキ」は、こういった運転ミスによる悲惨な事故を防ぐための手段のひとつとしてとても期待されており、ニーズがよりいっそう高まっています。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故が多く起きているのは、日本の高齢化に伴い、高齢者ドライバーが増加していることが1つの要因であると考えられています。
普段、運転をしなれている若いドライバーからすれば、車両のペダル配置は結構工夫されており、踏み間違いなど起きるわけがないと感じる方も多いでしょう。
そういう筆者も、それほど若いわけではありませんが、どうして踏み間違えてしまうのかはあまり自覚できておりません。
というわけで、まずは踏み間違いの原因についていくつか調べてみました。
ブレーキとアクセルの踏み間違い事故の主な原因3つ
1)高齢化による誤操作
60~70代以上による踏み間違いが多く発生していますが、若い世代でも起こっていることは事実のようです。
2)車庫入れなどのバックのとき、体が捻じれた状態での誤操作
これは年齢に関係なく、発生しやすいようです!
オートマチック車が多くなり、単純にアクセル/ブレーキだけで全て操作ができること(構造上の問題)も指摘されています。
3)注意力が欠如することによる誤操作
携帯の着信等によって注意力が散漫になると、誤操作をしやすい状況があるそうです。
高齢者でなくとも、運転ミスは誰でもしてしまうもの。
事故を減らすためには、やはり自動ブレーキの普及がとても重要になってくるということがわかります。
自動ブレーキの代表的な機能4つ
踏み間違いによる事故が最近の話題になっているのですが、自動ブレーキと言われるシステムは踏み間違い以外のブレーキに関わる事故も未然に防ぐような機能を持っています。
この辺りを整理してみましょう。
1)衝突回避機能(対車両)
TV・CMなどでよく目にする機能です。
車を後ろから見た実物大の絵や写真に向かって車が進んで行くと、その車にぶつかる直前で自動的にピタッと停車するのを見たことはありませんか?
カメラ・レーザーレーダーなどで前方の車両を検知し、自動的にブレーキを掛ける機能です。
2)衝突回避機能(対歩行者)
前方に歩行者がいるのを検知して、自動的にブレーキを掛けて衝突を防止する機能です。
3)誤発進抑制機能(誤発進抑制)
前方の障害物をセンサーで検知している状態のときに、前方への急発進(急なアクセル操作)を抑制します。
4)誤発進抑制機能(後方誤発進抑制)
後方の障害物を検知している状態のときに、後方への誤発進(急なバックギアでのアクセル操作)を抑制します。
※3)と4)がいわゆるペダルの踏み間違えによる誤操作を防止するものです。
国土交通省による自動ブレーキ関連の最新事情
平成27年の統計結果によると、交通事故による死者のうち37%が歩行者となっています。
これは他の先進国と比較しても、日本は、歩行者中の死者数が際立って高いのです。
車への追突を回避するというだけでなく、歩行者に対しても有効な自動ブレーキ技術の搭載が必要とされています。
このような状況に対し、国土交通省は対歩行者自動ブレーキの評価を開始するとともに、国際基準の策定に向けて動き出しました。
さらに新車への搭載義務化へ向けて準備を進めています。
現行市販車の衝突回避機能(対歩行者)の性能はどこまで進化してるの?
国土交通省は、対歩行者の衝突回避性能の評価のため、以下の11車種についてテストを実施しました。
- レクサスGS
- レクサスRX
- マツダアクセラ
- スズキイグニス
- スバルインプレッサ
- スバルフォレスター
- ホンダフリード
- トヨタクラウン
- トヨタプリウス
- スバルレヴォーグ
- スバルレガシィ
今回の評価結果では、マツダアクセラが最高評価を獲得しました。
上記の映像で、実験結果を詳細にみることができます。
- 遮蔽物(しゃへいぶつ)なし 40km/h~60km/h
- 遮蔽物(しゃへいぶつ)あり 25km~45km(車の陰から歩行者が飛び出してくる場合)
を見ることができますが、従来では非常に難しかった自動ブレーキ技術が、市販車でも高いレベルで実現されていることがわかります。
もちろん、走って飛び出す子供にも完全に対応するためには、まだまだ改善の余地があると思われますが、衝突による衝撃を少しでも緩和させるという意味では、とても有効なのではないでしょうか?
【体験記】対車両の自動ブレーキ機能を搭載した車に乗ってみました
筆者は先日、試乗する機会がありましたので、某社の自動ブレーキシステムを体験してきました。
筆者が体験した自動ブレーキシステムは、前の車への追突を防ぐためのものでしたが、動作させるために「初速30Km以上で走り出す」「ぶつかる直前までブレーキ操作しない」といったいくつかの制限がありました。
やってみると、ちょっと怖かったのですが、きっちりと追突前に停止することができました。
この車両の場合には、運転者がブレーキを少しでも踏んでいるときは、運転者の意思に任せ、自動制御はしないというポリシーなのだそうです。
(この辺りの制限は、自動車メーカーによって多少違いがあるようです。)
ドライバーに停止しようという意思があれば、ちゃんとドライバーがブレーキを踏んで停止すればよいわけですから、自動ブレーキとは、あくまでドライバーのうっかりを防ぐための補助手段であり、緊急回避するための最後の手段というわけです。
政府の目標は「2020年までに自動ブレーキ標準搭載率90%」
自動ブレーキ最新事情についてお伝えしました。
特に対歩行者用自動ブレーキは、ビデオを見て、すごい技術だと感じました。
カメラやセンサーを用いた車外環境の認識技術が、これからの安全性向上への大きな要素であることがわかります。
また、この自動ブレーキ技術だけでなく、(インプレッサに採用された)歩行者保護用車外エアバッグや、車両ブレーキの性能の向上などと合わせ、交通事故が少しでも減少することを望みます。
今日ではアンチロックブレーキが、ほとんど全車標準で搭載されるようになりました。
政府が目標とする「2020年までに自動ブレーキ標準搭載率90%」。
その2020年はもうすぐそこまでできていますが、達成も夢ではなさそうです。
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