車両保険って必要なの?みんな入ってるの?【3ステップでわかる自動車保険】その3
自動車保険に入るとき、一番悩むところは、「車両保険は付けたほうがいいのか、付けなくてもいいのか」ではないでしょうか? 車両保険の保険料は高額なので、ここで迷う人が多いのは当然ですよね。 一般型の車両保険を付けると、保険料が倍以上になるのはよくあること。 ですから、新車のうちは、万が一のことを考えて車両保険を付けていても、3年くらい乗っていると、そろそろ外してもいいかなという気になってきます。 今回は車両保険についてここだけは知っておこうという基礎の基礎を、順を追ってやさしくご説明します。
免許取得歴:24年 今乗っている車種:SUBARU アウトバック(新車で購入) 車に対…
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- 投稿日:2017-2-22
目次
車両保険は、いる?いらない?
車両保険は、いったいどのくらいの人が加入しているのでしょうか?
任意の自動車保険の全国平均の加入率は2014年のデータで73.8%(自動車共済を含めると約80%)となっていて、5人のうち4人は任意保険に加入しています。
その中で車両保険の加入率を見てみると・・・
43.2%、ということは、加入している人は半分以下ですね。ずいぶんと少ないことがわかります。
「対人賠償保険と対物賠償保険には加入するけれど、車両保険はいらないや」
と考える人が多いのでしょうね。
車両保険とは?
車両保険とは、自分の車の修理費等を補償する保険です。
そもそも自動車保険の一番の目的は、「他人の生命」や「モノ」に対する損害賠償です。
相手への損害賠償と、自分の車が壊れてしまった時の補償では、精神的にも、経済的にも、その負担は比較になりませんよね。
ですから車両保険は、保険としての優先度は低く、余裕がある時のオプション的な位置付けになります。
絶対的に必要なものではない分、ドライバーのおかれた状況や価値観、性格によって、その必要性は大きく変わってくるのです。
「自分の車の保障はいらない」とはっきりしている人は、無理して車両保険に入る必要はないのです。
車両保険ってどんなときに支払われるの?
車両保険は、自分の車の損害分を補償してくれる保険です。
ですから、交通事故以外でも、盗難やいたずらにあった場合、台風や津波などの自然災害に遭って車両が水没した場合なども補償の範囲に入ります。
大きな事故に遭い、車が修理できない場合にも、買替えの費用に保険金を充てることができますよ。
仕事や通勤などで車が欠かせないが、車をもう一台買う経済的余裕はない場合などにも、とても心強い保険と言えるでしょう。
車両保険に入るなら知っておきたい3つのこと
車両保険を検討する際に、知っておきたいポイントは以下の3つです。
- 車両保険には2つの種類がある
- 新車も1年ごとに減価償却される
- 車両保険は使うと損になることもある
ひとつひとつ具体的に見ていきましょう。
車両保険には2つの種類がある
車両保険には2つの種類があります。
損害保険会社によって名称が違ったり、内容にも多少の違いがあったりしますが、一般的にはカバーする補償の範囲で大きく2つに分けられます。
一般的な車両保険と、補償範囲を限定して保険料を抑えたエコノミー型車両保険です。
- 一般型
- エコノミー型(車対車+A)
上の図でわかるように、一般型車両保険は交通事故のほか、自損事故、当て逃げなどでも保険金が支払われます。
オールマイティな車両保険と言ってもいいでしょう。
ただし、台風や洪水は補償されても、地震は補償されないので注意しましょう。(一部特約を除く)
一方、エコノミー型車両保険(車対車+A)は車同士の事故と災害等何だけを補償することによって、保険料がエコノミー(経済的)になっています。
車同士の事故を対象とするのですから、自損事故(相手がいない事故)は補償対象外です。
また、エコノミー型車両保険の場合、たとえ車が相手の事故であっても、相手がわからない場合は保険金が支払われません。
コンビニの駐車場で当て逃げされたりした場合は対象外ですよ。
「車対車+A」の「A」とは?
ちなみに、「A」は「Accident(アクシデント、災難)」のことを指しています。
保険会社によっては、「A」のつかないエコノミー型車両保険を発売しているところもあります。
こちらは車同士の事故だけを補償します。
新車も1年ごとに減価償却される
車両保険に加入する際に知っておきたい2つ目のポイントは、
必ずしも全額補償されるわけではないという点です。
新しかった車両も、使っていくうちに古くなりますよね。
それに伴って、車両の価値も一定の割合で下がって(減価償却)いきます。
もちろんその分、保険料も安くなっていきますので、その点はご安心くださいね。
車両保険は使うと損になることもある
車両保険に加入する際に知っておきたい2つ目のポイントは、
車両保険は使うと損になることもあるという点です。
受け取る「少額の保険金」の額より、翌年以降に支払う「自動車保険の保険料の割増額」の方が高くなる場合があるのです。
よく知られているように、自動車保険には、前年の保険事故(保険金の支払いが発生した事故)の有無や件数などで、翌年の保険料の割増引率(割増や割引の率)が決まる仕組み(ノンフリート契約者料率)があります。
事故により保険金が支払われた場合、翌年の自動車保険の等級が下がり、保険料がアップします。
この翌年以降の「保険料がアップした額」と「支払われる保険金」の額を比較すると、保険料アップ額の方が大きい場合があるのです。
「車両保険は思うように使えない」と言われるのには、こういう理由があります。
少額の保険金の時は請求しないのであれば、はじめから免責金額を10万円と高めに設定して、保険料を節約するという考え方もありますね。
免責金額とは?
免責金額とは「事故が起きたときに、契約者が自己負担しなければならない金額」のことです。
事故による損害をすべて保険でカバーしようとすると、保険料は高くなりますが、免責金額を多く設定すれば、その分、大幅に保険料を安くすることができるのです。
また、車両保険に入らず、その分を積み立てておいて、いざという時の修理代にした方が合理的と考える人もいます。
まさに人それぞれですね。
車両に関する代表的な3つの特約
車両に関する特約で知っておきたいのは以下の3つです。
車両価額協定保険特約はドライバーにとってメリットの大きい特約なので、オススメですよ。
- 車対車免責ゼロ特約
1回目の事故に限って、免責金額を負担しなくてもいいという特約。
ただし、当て逃げなど、相手を特定できない場合は適用されません。
- 車両新価保険特約(新車特約)
新車が大破した場合に、新車に買替える費用を補償してくれる特約。
- 車両価額協定保険特約 ★オススメ!
保険期間中に車の価値が下がっていても、契約時の金額が維持されるという特約。
車両保険を検討する時の5つのポイントまとめ
以上、車両保険について、基本的なポイントをご紹介してきました。
車両保険は本当に複雑で、いろいろな要素が絡み合っています。だからこそ、保険にどこまで求めるのかをはっきりさせ、どこかで割り切ることが大切です。
車両保険を検討するときには、次の5つのポイントを思い出してくださいね。
- 車両保険は保険としての優先度は低い。まずは対人、対物、人身傷害を充実させる。
- 車両保険にはフルカバーの「一般型車両保険」と限定型の「エコノミー型」がある
- 免責金額の設定の仕方で保険料が大幅に変わる
- 車両保険は使うと損になることもある
- 保険料に見合う補償を受けられるかどうかを、常に意識しておく
参考:日本損害保険協会 - SONPO | お役立ち情報 - 損害保険の解説 - 自動車保険
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■【3ステップでわかる自動車保険】その1、その2もチェックしよう!
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