任意保険の基本的な7種類の補償内容をわかりやすく解説【3ステップでわかる自動車保険】その2
自動車保険(任意保険)の基本的な7つの補償内容(1.対人賠償保険、2.対物賠償保険、3.人身傷害補償保険、4.搭乗者傷害保険、5.無保険車傷害保険、6.自損事故保険、7.車両保険)をわかりやすく解説します! 自動車保険は種類が多いうえ、そのそれぞれについて特約があり、一度にすべてを把握しようとすると大変です。枝振りの良い木のようです。 今回は自動車保険について、小枝を除いた、メインの7本の枝(ポイント)に絞って、わかりやすくご紹介します。
免許取得歴:24年 今乗っている車種:SUBARU アウトバック(新車で購入) 車に対…
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- 最終更新日:2017-2-23 / 投稿日:2017-2-22
自動車保険(任意保険)の種類は7つ
任意保険を販売しているのは民間企業と共済ですが、その大多数を民間企業が占めています。
補償の内容にはいろいろな種類があり、基本的な保険内容は下記の7つに分けられます。
- 対人賠償保険(相手方の身体への補償)
- 対物賠償保険(相手方の物への補償)
- 人身傷害補償保険(自分・搭乗者への補償)
- 搭乗者傷害保険(自分・搭乗者への補償)
- 無保険車傷害保険(自分・搭乗者への補償)
- 自損事故保険(自分・搭乗者への補償)
- 車両保険(自分の車への補償)
ズラッと並ぶと、なんだかプレッシャーを感じますが、気にせず進めていきましょう。
もちろん覚えようとしなくても大丈夫ですよ。
よく見ると、この中で、車両保険だけが「自分の車への補償」だということがわかりますよね。
自動車保険の一番の目的は、他人の生命やモノに対する損害賠償なので、車両保険は、保険としての優先度が低いのがわかると思います。
ですから、今回はひとまず車両保険をはずして、優先度の高い6つの保険について、ご紹介していきますね。
*車両保険は「3ステップでわかる自動車保険その3」で取り上げます。
自動車保険を整理すると
優先度の高い6つの保険は、補償内容によって2つのグループに分けられます。
1番目のグループは相手のための補償、もうひとつのグループは自分たちのための補償です。
1:事故の相手方に対する賠償のための「賠償責任保険」 → 優先度 高
- (1)対人賠償保険(相手方の身体への補償)
- (2)対物賠償保険(相手方の物への補償)
2:自分たち(運転者や同乗者等)のケガに備えるための「傷害保険」→ 優先度 中
- (3)人身傷害補償保険(自分・搭乗者への補償)
- (4)搭乗者傷害保険(自分・搭乗者への補償)
- (5)無保険車傷害保険(自分・搭乗者への補償)
- (6)自損事故保険(自分・搭乗者への補償)
賠償保険とは?
賠償保険とは、他人や他人のものに与えた損害を償う(つぐなう)ために支払われる保険です。
自動車保険の賠償保険というと、まず最初に来るのが強制保険である「自賠責保険」ですね。
自賠責保険の正式名称は自動車損害賠償責任保険です。
これでは足りない分を、任意保険(自動車保険)でカバーすることになります。
任意保険の賠償保険は、何を対象にするかによって、次の2つにわかれます
- 対人賠償保険
自動車事故により、他人を死亡させたり、ケガを負わせたりした場合に、自賠責保険の補償額を超える部分に対し保険金が支払われます。
- 対物賠償保険
自動車事故により、他人の自動車や建物などを壊した場合に保険金が支払われます。
■人への賠償は「治療費」だけじゃない!
自動車事故による「人」への賠償は、治療費などの実費、働けなくなったことによって得られなくなった将来にわたっての収入、精神的ダメージ、将来の介護料なども含まれます。
後遺障害や死亡の場合は、賠償金が数千万円から数億円になるケースも珍しくありません。
■モノへの賠償は「相手の車」だけじゃない!
また、対物というと、事故を起こした相手側の車だけをイメージする人が多いのですが、自動車保険でいうところの対物は「人以外のすべて」を意味し、補償範囲はとても広くなっています。
たとえば、対向車のトラックと衝突後、電柱にぶつかって、その勢いで店舗に突っ込む事故を起こしてしまったとしましょう。
この場合、直接損害として、
- 対向車のトラック修理費
- 積荷への賠償
- 電柱の修理費
- 店舗の修理費
を支払う必要があります。
でも、これだけでは済みません。
間接被害として、
- 店舗の休業による売上損失分など
も加算されるのです。
もしあなたの起こした事故がもとで停電が発生すれば、賠償範囲はさらに広がり、賠償金額は膨大になってしまいます。
これらの「物」への損害をカバーしてくれるのが対物賠償保険金額です。
無制限にしてもそれほど保険料は変わらない!?
実は、保険金額を無制限にした時と、そうしなかった時では、保険料はたいして変わりません。
車を運転する以上、任意保険の対人賠償保険と対物賠償保険には必ず加入し、ともに保険金額を無制限にすることを強くおすすめします。
傷害保険とは?
傷害保険とは、事故によりケガをした場合に支払われる保険です。
任意保険の障害保険には次の4つがあります。
- 人身傷害補償保険
自動車事故により、死亡したり、ケガをしたりしたときに、自分の過失部分を含めて、損害額の全額が支払われます。他人の車に乗っている時や歩行中の事故も補償の対象になります。
- 搭乗者傷害保険
運転者や同乗者など、自動車に搭乗中の人が事故によって死亡したり、ケガを負ったりしたときに、その内容に応じた一定の保険金が支払われます。
- 自損事故保険
自賠責保険では補償されない、運転者自身の自損事故(運転ミスで電柱へ衝突した場合など)で、運転者などが死亡したり、ケガをしたりしたときに保険金が支払われます。
- 無保険車傷害保険
対人賠償保険を契約していないなど、賠償に当てるお金が準備できない他の自動車に衝突されるなどして、運転者や同乗者が死亡または後遺障害になったときに保険金が支払われます。
人身傷害と搭乗者傷害はどう違うの?
人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は、ともに車に乗っていて事故に遭い死傷したときに保険金が支払われる保険ですが、支払われ方に実損と定額という違いがあります。
「人身傷害補償保険」は、自分の過失の有り無しに関わらず、ケガや死亡による損害分を保険金額内で受けることができます。
この「自分の過失の有無を問わず」というところがポイントです
たとえば、あなたが事故に遭って1,000万円の損害が発生したとしましょう。
あなた側にも30%の過失があると認定された場合、相手側からは700万円しか支払われず、残り300万円は自分で払うことになります。
あなたが任意保険で人身傷害補償保険に加入していれば、この30%の分、すなわち300万円が保険から支払われるのです。
とても心強い保険と言えるでしょう。
これに対し、「搭乗者傷害保険」はケガなどによる死亡・後遺障害・入院・通院などに応じて、一定の金額が支払われます。
死亡後遺1名1,000万円、入院1日15,000円、通院1日10,000円のような感じですね。
医療保険をイメージするとわかりやすいかもしれません。
保険金が定額であるため、事故後スピーディーに保険金が支払われるのがメリットです。
人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は、補償内容にかぶる部分が多く、また医療保険や単体の傷害保険ともかぶることも多いので、最近では人身傷害補償保険だけにする人も増えています。
人身傷害補償保険も必ず加入しておきたい保険です。
任意保険はこの3つのポイントを覚えておけば大丈夫です!
自動車保険(任意保険)の基本的な仕組みについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
まずは、次の3つのポイントを覚えておけば大丈夫です。
- 対人賠償保険と対物賠償保険には必ず加入し、ともに保険金額を無制限にする
- 対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害補償保険の3保険をベースにし、特約で自分向けにカスタマイズする
- 以上を済ませた上で余裕があれば、車両保険を検討する
参考:日本損害保険協会 - SONPO | お役立ち情報 - 損害保険の解説 - 自動車保険
■【3ステップでわかる自動車保険】その1、その3もチェックしよう!
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