【デメリット編】次こそはネット通販型?悩めるあなたに贈る自動車保険講座
「ネット通販型の自動車保険に替えてみたいけれど、ちょっと心配」と感じている人は多いのではないでしょうか。 家計の見直しをする場合、保険や通信費などの固定費から見直すことは、いまや王道です。 しかし、いざ実行するとなってみると、「保険料は安くて助かるけれど、いざ事故に遭ったときに頼りになるのかなあ・・・」などと不安になってくるものです。 特にいままで、自動車事故に遭った経験のない人であれば、事故後のイメージが全くわかず、不安に感じるのは当然のことですよね。 ネット通販型の自動車保険を検討するのであれば、メリットと共に、デメリットについても知っておく必要があります。今回は、ネット通販型自動車保険のデメリットについてご紹介します。
免許取得歴:24年 今乗っている車種:SUBARU アウトバック(新車で購入) 車に対…
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- 最終更新日:2017-3-9 / 投稿日:2017-1-5
目次
代理店がいないと、なにか大変なことがあるの?
ネット通販型自動車保険の保険料が安くなるのには、ちゃんとした理由と仕組みがあることを、前回のネット通販型のメリット編でご説明しました。
ネット通販型は、契約者と損害保険会社(以下;保険会社)が直接契約を結ぶため、代理店手数料がかからないことが、その1番の理由です。
ではそもそも代理店とは、あなたのためにどんなことをしてくれる人なのでしょうか?
代理店の主な業務は以下の通りです。
≪ご契約時≫
1. 保険商品の勧誘
2. 保険の対象となるものの確認
例えば、火災保険の契約にあたって、建物の構造が耐火構造かそうでないかなどの確認。
3. 保険商品の説明(見積り(契約金額の設定、保険料の計算))
4. 重要事項(契約概要・注意喚起情報)の説明、告知事項の受領(お客さまに申込書の告知欄について記入いただく)
5. 契約の意向確認
6. 保険契約の締結(保険料の領収、領収証の発行・交付)≪ご契約後≫
1. 保険契約の変更・解約などの申出の受付(クーリング・オフの受付を除く)
2. 事故通知の受付、保険会社への連絡
3. 保険金請求手続きのアドバイス※事故発生時の代理店の役割は、ご契約者からの事故通知を受け付けて保険会社に連絡したり、保険金請求書の記載方法など保険金請求手続きのアドバイスをすること等です。
保険金支払いの有無等を判断する権限は保険会社にあり、代理店は判断することができません。
結構いろいろやってくれるんだなぁ、と思った方もいるのではないでしょうか。
ひとことで言えば、代理店は、契約から万が一事故に遭った場合まで、なんでも相談できるサポーターのような存在です。
■代理店にも2種類あります
代理店には「プロ代理店」と「兼業代理店」があります。
・プロ代理店とは… 保険の販売を専業にしている代理店のことです。個人で経営しているものから、街でよく見かける「ほけんの窓口」や「保険見直し本舗」などの保険ショップまで、専業代理店もさまざまです。
・兼業代理店とは… ほかの業務がメインで、なおかつ保険の販売もしている代理店です。自動車保険の場合で言うと、自動車ディーラーや修理工場、自動車用品販売店などがそれに当たります。
ちなみに、自動車ディーラーでは各自動車メーカーオリジナルの保険も販売しています。電話1本で保険会社と自動車ディーラーの両方に連絡が行くコールセンターの設置や、「飛び石によるフロントガラスの修理が無料(年1回)」「ロードサービス距離無制限(年1回)で搬送」などの独自のサービスが付いているので、新車購入の際は、こちらもチェックしてみるといいですよ。
「代理店型」のメリットは「ネット通販型」のデメリット
保険には多くの専門用語や独特の言い回しがあります。たとえば、保険の世界では、契約の内容を変更することを「異動」と呼んだりします。
保障内容はもちろんのこと、「契約者」と「被保険者」の違い、「車両免ゼロ特約」などの用語がわからない時なども、代理店に聞けば、ひとつひとつ丁寧に説明してくれるでしょう。
事故に遭ったときも、代理店とはすでに顔見知りで、あなたの契約内容もすべて知っているので、手続きをスムーズに行うことができます。
また、車を買い替えた(車両入替)など、契約の内容を変更するときも、代理店であれば電話一本で、見直し後の見積と必要書類一式を教えてくれたりします。
ネット通販型自動車保険の場合、これらの代理店がやってくれている部分を、コールセンター等の助けを受けながら、自分自身でやっていくことになるのです。
コールセンターのスタッフはとても親切で丁寧ですが、そのほとんどが保険会社から委託を受けているテレマーケティング会社のスタッフであるため、マニュアル的な対応になるのは否めません。
ネット通販型の万が一の事故対応力はどうなの?
「ネット通販型自動車保険は事故対応力が弱いのではないか?」と心配されている方もいるでしょう。
「ネット通販型自動車保険=事故対応力が弱い」ということはありません。
「ネット通販型自動車保険の中には、事故対応力が低い会社も、事故対応力が高い会社もある」というのが正確な言い方かもしれません。
事故は全国各地で起こるので、事故処理部門については、全国にネットワークを構築する必要があります。これはとてもコストのかかることなのです。ですから、ネット通販型の保険会社の中には、保険料を安くすることの方を優先して、事故処理拠点が少ない保険会社もあります。
■「24時間365日OK」とうたっていても注意!
またどこの保険会社でも「事故受付は24時間365日」とうたっていますが、本当に大切なのは「事故対応が24時間365日」であることです。コールセンターは委託業務のため、24時間365日の受付を実施できても、事故対応は基本的に保険会社内でやるため、平日・営業時間内でしか行わないところもあります。細かい点ですがよく確認しましょう。
なお、「事故が起きたら、保険会社(代理店)の人が現場に駆けつけてくれる」というイメージを持っている人がいますが、そういうケースはごく稀(まれ)です。代理店の役目は、保険会社に取り次ぎ、保険金請求手続きなどのアドバイスをすることです。
プロ意識の高い有能な代理店であれば、いざというとき心強い味方になってくれますよ。
ネット通販型は事故がある人には不利?
ネット通販型自動車保険は優良な契約車(ドライバー)を主な対象にしていると言われています。
優良なドライバー = 事故を起こさないドライバー = 支払う保険金が少ない
低コストで勝負するネット通販型自動車保険にとっては、当然の企業戦略とも言えますよね。
ですから、過去に事故を起こしたことのある人は加入を断られたり、加入できたとしても保障額を引き下げられたりということが、代理店型の場合より多くなります。
過去に事故を起こしたことのある人にとっては、シビアな保険と言えるでしょう。
ネット通販型は何かあったら自己責任!加入に必要な2つのスキルとは?
ネット通販型の自動車保険に加入する場合、2つのスキルが必要になります。ひとつは自動車保険の知識。もうひとつはPCやネットの知識です。どちらかが欠けていた場合、取り返しのつかないミスをおかしてしまう可能性があるのです。
特にリスク細分型の自動車保険は、条件(免許の色、走行距離、使用目的、前契約の等級、事故の有無など)によって大きく保険料が変わります。これらの項目が事実と違っていると、「告知義務違反」にあたり、いざという時に保険金はおりません。
故意に違う数字や答えを入力した場合も、単なる入力ミスで違う数字や答えを入力した場合でも、結果は同じです。
*等級 事故歴に応じた保険料の割引・割増を適用する制度。1~20等級の20段階
また、自動車保険の知識がないと、自分のメリットになる保障内容や特約の有無がわかりません。ネット通販型自動車保険の場合、契約手続きはネット画面上で次々とクリックしていくだけで、完了してしまいます。保険に関する知識がないと、十分な保障を得ないまま、契約を完了してしまうこともありうるのです。
ネット通販型は個人手配旅行、代理店型はツアー主催旅行
以上、ネット通販型自動車保険のデメリットについてご紹介してきました。
ネット通販型と代理店型を比べるとき、旅行をイメージするとわかりやすいかもしれません。
ネット通販型は個人手配旅行、代理店型はツアー主催旅行です。
ツアー主催旅行は一般的に価格が高めで、行く先やホテルも画一的なことが多いです。ただ、旅慣れていなくても、申し込むだけで、ひととおりの旅行が楽しめます。またアクシデントがあった場合も、旅行会社が代わりの交通機関やホテルを用意してくれます。
個人手配旅行はコストも安く、自分の思い通りに行き先やホテル、工程を決められます。
そのかわり、自分で下調べをし、手配をし、アクシデントがあった場合の対処も自分で行うことになります。それができる人にとっては、とてもいい旅行になるでしょう。
保険も基本的に同じです。
自動車保険について詳しくなく、また勉強する気のない人は、まずは代理店型にしておき、自動車保険の知識がついたところで、ネット通販型に移るというのも一案です。
自動車保険をネット通販型にするか、従来からの代理店型にするかを考えるとき、正解は1つではありません。
一人一人のライフスタイル、お財布事情、そして性格によっても答えは変わります。あなたの「いま」を見つめ直した上で、納得のいく選択をして下さいね。
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