燃料消費率を表す「10・15モード燃費」と「JC08モード燃費」の違いは何?
車のカタログに載っている燃費の数値。車を買う時にここを気にして選んだことがありますか?この数字は昔は「10・15モード燃費」といい、最近は「JC08モード燃費」といいますよね。何が変わったのでしょうか?これらの測定方法について簡単に解説します。そしてこれらの測定結果と、実燃費にどのくらい違いがあるのかについても調べてみました。
免許取得歴:20年以上 今乗っている車種:Nissan Skyline(中古で購入) …
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- 投稿日:2018-8-29
目次
燃費を知るのに重要なキーワード「10・15モード燃費」「JC08モード燃費」
クルマのカタログや、紹介記事でその車の燃費がどのくらいなのかを示す場所には「JC08モード 34km/L」や「10・15モード燃費12㎞/L」といった表示がされています。
これはいったい何を意味しているのでしょうか。
実は車の燃費が気になる人は特にこの2つの違いは知っておいたほうが良いので、それぞれの特徴と違いを説明します。
10・15モード燃費とは?
まず、10・15モード燃費について解説します。
1973年から採用された10の走行パターンを使った燃費測定法で測定されたものを10・15モード燃費とよびます。
特徴としては実際に道路を走行して測定するものではなく、「シャシダイナモメータ」と呼ばれる試験機のローラーの上に、車を乗せた状態で測定されます。
このシャシダイナモメータは、排気ガスの検査を実施するときにも利用されます。
走行パターンとは「●●Kmから△△Kmまで加速して、その後低速走行をどのくらいして、☆☆Kmまで減速して…」といった具合に測定中の走り方を決めます。
シャシダイナモ(自動車の馬力や燃費を測定する装置)を使った走行性能実験の様子だケロ♪#コペン #ダイハツ #自動車整備士 pic.twitter.com/LX9DtEbKo3
— 愛知工科大学/愛知工科大学自動車短期大学 (@aut_tw) April 25, 2018
今日は
栃木県立県央産業技術専門校 様にて
シャシダイナモをお貸しいただきました! pic.twitter.com/oCMW6Ugoaa— 宇都宮大学フォーミュラデザイナーズ (@fsae_uufd) July 18, 2017
シャシダイナモメータ上では、タイヤを通じて走行負荷を掛けたり、エンジンを冷やす目的で速度に応じた風を前方からファンで送ったり、実走行に近い状況を作りだすことができるそうです。
最初の10個の走行パターンに、1991年に15の走行パターンが加えられ「10・15モード燃費」という名称になりました。
10・15モード燃費測定のパターン例としては
- 「車の暖気が完了した状態から測定する」
「アイドリング中も含まれた測定である」
「エアコンはOFF状態で測定する」
といったものがあります。
JCO08モード燃費とは?
続いて比較的最近登場した、「JC08モード燃費」について解説します。
実は10・15モード燃費は実際の走行燃費と比べると、だいぶ数値がかけ離れたものという点が課題でした。
ユーザーの車利用の環境の変化にも伴い、実態にそった燃費データにするために走行パターンを見直した燃費測定法がJC08モード燃費です。
シャシダイナモ上で測定されるという点では、10・15モードと変わりありません。
違いはスタートです。
見直された方法として、JC08モードはエンジンが暖まった状態から測定するのではなく、冷えた状態からもスタートする測定が加わりました。
また、JC08モードでは「走行モードには、細かい速度変化をつける」「重量区分の細分化により、実際の車重に応じた計測が行われる」といった条件なども加えています。
2011 年 4 月以降に型式指定を受ける自動車に対し、「JC08 モード燃費値(国土交通省審査
値)」をカタログ等へ表示することを義務付けます。
「10・15モード燃費」と「JC08モード燃費」の違い
10・15モード燃費は、暖気が完了した状態を測定していたため、実燃費と比較して、リッターあたりの走行距離が長く(燃費が良い数値)なっていた考えられています。
そのため、10・15モード燃費とJC08モード燃費の違いは、測定時の条件です。
「JC08モードはより実態に近い測定方法で図られた正確な燃費を示す」といえるでしょう。
JC08モード燃費の測定値は、10・15モード燃費の測定値よりも1割ほど低い数値になる傾向があるそうです。
新しい燃費の測定基準は世界共通の「WLTP」
日本では新しい規格の燃費測定基準が導入が2016年10月に国土交通省から発表されています。
WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)と言われる国際基準での燃費測定です。
WLTPは測定する時に、車の重量を重くするためJC08モードよりも燃費が小さい数値で表示されることになるだろうと言われています。
また、「市街地」と「高速道路」など、道路による燃費の違いも数値としてわかるようになるとのことです。
燃費の数値を見る時には測定モードもチェック!
燃費の測定方法は時代とともに改善されてきました。
10・15モード燃費は、1991年頃から使われてきた測定方法で、実際の走行燃費とはかけ離れた為、2013年からJC08モード燃費が導入されました。
暖気前の状態も測定に含まれるなど、条件を加えて実燃費に近いものがあらわされるように工夫されてきました。
しかし私の車の場合、実際の燃費とカタログに記載のJC08モード燃費を比較したところ、いつも6-7割低い印象です。
皆さんも、実燃費に関しては買った時にはリッター30キロは走るっては書いてあったけど、まあ実際はそんなに走れないよね、、という感じで把握してるものではないでしょうか?
現在、世界基準に合わせたWLTPという新しい測定法が導入されたことで、順次切り替わっていくことになるそうです。
この最新の基準で書かれた新車の燃費であれば、従来よりもより実態に近いものとして判断出来るようになるかも知れませんね。
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